研究課題/領域番号 |
26462945
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡田 和樹 北海道大学, 大学病院, 講師 (70399856)
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研究分担者 |
山口 泰彦 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (90200617)
後藤田 章人 北海道大学, 大学病院, 助教 (70466465)
三上 紗季 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 専門研究員 (70704477)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 難治性咬合違和感 / 難治性歯痛 / 咬みしめ / 筋電図 / 感覚閾値 / 定量的感覚検査 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,難治性咬合違和感および難治性歯痛の発症に日中の咬みしめに伴う感覚閾値の変化が関連している可能性に着目し,難治性咬合異常感患者,難治性歯痛患者における日中の咬みしめ様相と感覚閾値の関連を明らかにすることである.平成27年度では,定量的感覚検査(Quantitative Sensory Testing: QST)の確立,およびデータ収集を行った.
1.定量的感覚検査(Quantitative Sensory Testing: QST)の確立:感覚閾値の測定には,知覚・痛覚定量分析装置(Pain Vision PS-2100,NIPRO 社製)を用いた.平成26年度では,本装置を用いて前頭部皮膚,頬部皮膚,オトガイ部皮膚における感覚閾値の測定が可能であることを確認した.しかしながら,販売が遅れていた口腔内測定用電極の購入が年度末となったため,口腔粘膜の測定は確認できなかった.そこで,平成27年度では,口腔内測定用電極を用いて口腔粘膜の感覚閾値の測定が可能であることを確認し,定量的感覚検査(Quantitative Sensory Testing: QST)の確立を行った.
2.データ収集:平成26年,27年度で確立した無拘束咀嚼筋筋電図測定システム,定量的感覚検査(Quantitative Sensory Testing: QST)を用いて,顎機能健常者における日中の筋電図測定,およびQSTの測定を開始した.その結果,筋電図波形からバースト回数,バースト持続時間,最大振幅,積分値が問題なく分析でき,前頭部皮膚,頬部皮膚,オトガイ部皮膚,口腔粘膜の感覚閾値も問題なく測定,分析できている.しかしながら,難治性咬合違和感患者および難治性歯痛患者の測定が遅れており,平成28年度では同被験者におけるデータ収集を進める予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
無拘束咀嚼筋筋電図測定システムの確立,定量的感覚検査(Quantitative Sensory Testing: QST)の確立,および予備的データ収集が終了し,顎機能健常者におけるデータ収集が進んでいる.しかしながら,難治性咬合違和感患者および難治性歯痛患者の測定が遅れており,平成28年度では同被験者におけるデータ収集を進める予定である.
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今後の研究の推進方策 |
1.データ収集(顎機能健常者,難治性咬合違和感患者,難治性歯痛患者):平成27年度に行うことができなかった難治性咬合違和感患者および難治性歯痛患者のデータ収集を進めていく.平成27年度および平成28年度で顎機能健常者20名,難治性咬合違和感患者20名,難治性歯痛患者20名のデータ収集を目標とする.
2.データ解析:1)咬筋筋活動波形の発現状態:顎機能健常者,難治性咬合違和感患者,難治性歯痛患者におけるバースト回数,バースト持続時間,最大振幅,積分値を比較検討する.2)咬筋筋活動波形発現頻度と感覚閾値の関係:各被験者の咬筋筋活動量と感覚閾値の相関性を解析する.3)咬筋筋活動波形発現頻度および感覚閾値と主観的感覚の関係:咬筋筋活動量および感覚閾値と咬合違和感,歯痛の程度の関連性を解析する.
3.研究の総括:得られた結果から,日中における咬みしめ様相と感覚閾値の関連性について検討し,咬みしめが疼痛閾値に影響を及ぼす可能性について考察する.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた難治性咬合違和感患者および難治性歯痛患者の測定が遅れ,本格的なデータ収集に備えて購入予定であった超小型筋電計ロガーシステムFLA-500-SDの購入を見送っていたため.
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に購入予定であった超小型筋電計ロガーシステムFLA-500-SDを平成28年度に購入し,本格的なデータ収集に備える.
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