研究課題/領域番号 |
26462946
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
岩崎 直彦 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20242216)
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研究分担者 |
高橋 英和 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90175430)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 歯科CAD/CAMシステム / 切削加工 / ジルコニアブランク / 辺縁再現性 |
研究実績の概要 |
平成27年度は,先年度で考案した試験片形態を用いて歯科CAD/CAM用ジルコニアブランクの辺縁再現性について評価をおこなった。特に問題となる辺縁部での再現性を評価するために,先年度の試験片形態と同様,すなわち面間角度7.5、15,30°とした双円錐に厚さが0.2、0.3、0.4mmの円板をはさんだものをそれぞれ直交して組み合わせた試験片形態を用いて、デンタル用切削加工機にて切削加工を行った。使用材料は先年度の2種類に切削システムの異なる1種類を加え3種類の歯科CAD/CAM用ジルコニアブランクを用いて,それぞれの切削システムで切削した試験片を比較検討したところ,円板厚さが薄く,辺縁部が鋭い場合では製品間でチッピング数に差があることが認められた. しかし,同一形態の試験片を各製品のそれぞれの専用切削システムで行ったものを比較した場合には,切削システムが異なるとチッピングの数や表面形状に大きな差が見られることがわかった.そのため,切削機と切削ソフトを同一とした場合の比較が必要と考えられた. そこで,すべての製品で同一の切削条件にて辺縁再現性の比較を試みるため,切削用NCデータ作成ソフト,切削機および切削条件を統一して切削試験を行ったが,同一切削条件においては,異なった切削システムで行った製品では専用切削システムで行った場合とは結果が若干異なっていた.このことは各切削システムにおいてはブロックに至適な切削条件を与えられているため,単純に同一条件での切削試験の結果でブロックの特性を評価することには問題があることが示唆された. 今後は,試験片の切削後の辺縁形態の評価だけではなく,半焼結ジルコニアブランクの機械的性質を調べるとともにそれらとの関係性について検討を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯科CAD/CAM用ジルコニアブランクをメーカー指定と異なった切削システムを用いて切削した場合,当初一部の製品で切削用バーが破折する現象がおき,一部の試験の進捗に遅れが生じた.しかし,その後切削用NCデータ作成ソフトが改良され,そのような現象は改善されて起こらなくなったため,その後は順調に試験が行えた.
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今後の研究の推進方策 |
辺縁におけるチッピングの形成にはブランクの仮焼結度、加工ソフトウエアによる加工圧や加工スピード、切削用ツールが影響することが考えられるのでこの点について検討する。また、ブランクの辺縁再現性と曲げ強さや弾性係数等の物性値との比較を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
切削試験時に,NC作成ソフトの違いによって切削ツールが試験中に折損したことにより,切削ツールの購入数を予定数より多く購入したため,購入予定のディスク数を調整する必要が生じた.その結果,その価格差により差額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は,ジルコニアブランクの機械的性質を調べるため,ジルコニアブランクおよび試験片作製用切削具,研削用材料の購入に使用する予定である.
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