研究課題/領域番号 |
26462947
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
高橋 英和 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90175430)
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研究分担者 |
大木 明子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (10345225)
岩崎 直彦 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20242216)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | シリコーン樹脂 / アディチブマニュファクチャリング / 粘弾性特性 / 流動性 |
研究実績の概要 |
1. エピテーゼ用シリコーン樹脂の創生と評価(高橋・岩崎担当) 顎顔面補綴に応用可能なシリコーン樹脂が国内で開発されたが,この樹脂の粘弾性特性を評価したところ,従来から用いられている外国製品と同程度であった.しかし,そのままアディティブマニュファクチャリングに用いると形成後に変形してしまうために,粘度調整剤の使用が必要となる.国産製品について粘度調整剤の影響を検討したところ,少量の添加で十分効果があることが判明した.しかしながら粘度調整剤の添加は変形の抑制には効果的であるが,アディティブマニュファクチャリング時に用いる吐出装置からの吐出は難しくなるので,少量吐出装置での形成が可能かを検討する予定である. 2.シリコーン樹脂の小型吐出装置の開発(岩崎・高橋担当) 当初予定と異なる小型吐出装置と3次元ロボットを購入した.このロボットの小型吐出装置を装着する治具を現在作製中である. 3.アディティブマニュファクチャリングによるエピテーゼの試作(大木・高橋) 倫理審査委員会の許可のもと本研究で購入した顔面形状撮影装置で得られたデータを基に,まず,ABS樹脂をサポート材の上に融解積層する形式でエピテーゼを作製した.適合性を再度スキャンする方法で3次元適合性評価ソフトウエアで評価する方法と,顔面の石膏模型に適合評価材を用いて検討する方法で評価したところ,積層する方向により適合性が異なることが明らかとなった.シリコーン樹脂でも同様の方法で作製したエピテーゼを評価する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3次元形態を付与可能なシリコーン樹脂はほぼ完成したので,これを用いて製作物の作製に取り組んでいる.当初予定と異なる小型吐出装置と3次元ロボットを購入したため,自作で両者のマウント用治具を作製する必要が生じ,その設計に時間がかかったが,現在は治具を作製中である.本年度中には,シリコーン樹脂によるエピテーゼの試作が可能と考えている.
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今後の研究の推進方策 |
国産のシリコーン樹脂を用いて小型吐出装置を用いて実際にエピテーゼを製作し,シリコーン樹脂の流動性と形態保持性が適切かを確認し,完成したエピテーゼの適合性の評価を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に購入予定であった小型吐出装置と3次元ロボットでは,十分な機能を有していないことが判明したため,本年度予算と合わせて必要な機能を有する製品を購入した.そのため,3次元ロボットに小型吐出装置をマウントさせるための治具の作製が新たに必要となり,治具作製のために情報収集に時間がかかってしまった.そのため,治具作製用器材の購入が次年度に繰り越しとなってしまった.
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次年度使用額の使用計画 |
小型吐出装置と3次元ロボットのマウント治具の作製のための器材の費用として使用する予定である.
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