研究課題/領域番号 |
26462948
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中禮 宏 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50431945)
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研究分担者 |
上野 俊明 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30292981)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | マウスガード / ガラス繊維強化 |
研究実績の概要 |
1.マウスガード材料へのガラス繊維含浸方法の確認・確立 母材となる市販の熱可塑性マウスガード材料(EVA系材料(ERKOFLEX,ERKODENT)およびポリオレフィン系材料(MG21,CGK))へ,加熱プレス機を用いて,ガラス繊維を含浸させた.含浸方法に関して,母材でガラス繊維を挟み込む方法とガラス繊維で母材を挟み込む方法の2方法を試した.最終的なマウスガード作製時の許容厚さを想定し,含浸後の厚さを1.0mm~1.2mm程度に抑えることとし,ガラス繊維の最大含浸枚数の確認も同時に行った. 2.試作したガラス繊維強化型材料の機械的強度と母材との接着強さの確認 母材にガラスクロスを含浸加工させた試作材料(1.2mm厚)を,万能試験機を用いて,3点曲げ試験(支点間距離40mm,クロスヘッドスピード1.0mm/min)を実施し,曲げ強さを確認した.さらに,母材と試作材料を接着させ,剥離試験(クロスヘッドスピード50 mm/min)も行った. 3.衝撃システムの構築および動作確認 新規購入した落球式衝撃試験機(IM-203特型,テスター産業/共和電業)の測定システムに,圧力センサ(LMB-A-2KN,共和電業)とセンサインターフェイス(EDX-100A,共和電業)を組み込んで動作確認試験を開始した.現在,今後のマウスガードを装着させた歯列模型による実測型衝撃試験を行うための既存クランプとの適合調整を進行させている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.マウスガード材料へのガラス繊維含浸方法の確認・確立 圧接板と耐熱テープで密閉し,真空ポンプを用いて減圧下での含浸方法を確立させた.含浸方法に関して,母材でガラス繊維を挟み込む方法では,減圧下でも十分にガラス繊維間に母材が入り込まず,ガラス繊維で母材を挟み込む方法により含浸させる方法が効率的かつ効果的にガラス繊維の含浸が行えることが確認できた.含浸後の厚さを1.0mm~1.2mm程度とすると,使用したガラス繊維クロス(M100X104H : 密度100g/m2)の最大含浸枚数は母材両面各5枚計10枚となった. 2.試作したガラス繊維強化型材料の機械的強度と母材との接着強さの確認 EVA系材料を母材とした場合は曲げ強さが10倍以上となり,接着強さも母材と母材の接着強さと比較して1/3程度までの低下にとどまった。一方ポリオレフィン系材料を母材とした場合は,曲げ強さがEVA系の半分程度にとどまり,接着強さも母材と母材の接着強さと比較して1/10程度まで低下した。マウスガード製作用熱可塑性材料へのガラス繊維強化法の応用に関しては,現在のところEVA系材料を主成分とすることが望ましいと考えられた. 3.衝撃システムの構築および動作確認 市販の落球式衝撃試験機(IM-203,テスター産業)の測定システムに,材料静置板および安全柵を特注し,圧力センサ(LMB-A-2KN,共和電業)とセンサインターフェイス(EDX-100A,共和電業)を組み込んだ動作確認試験は順調に行得た.既存クランプとの適合調整も現状問題なく修正が行えるであろうことが確認できた.ひずみゲージのセンサインターフェイスへの組み込みを行う測定ボードの設置は済んでいるが,ひずみゲージの購入は2015年度以降の予定となっていたため,最終確認は今後行う予定とした.
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今後の研究の推進方策 |
1.衝撃試験用試料片の作製 母材と試作したガラス繊維強化材料を多層構造とした試料片を作製する.繊維強化材料の使用位置による効果をみるために,構造による違いを比較するための基礎的検討とするため,シート状構造による試料片を作製する. 2.衝撃試験① ステンレス鋼板上に1で作製した試料片を静置し,鉄球を自由落下させて加撃する方法で衝撃試験を行う.比較検討材料は母材とし,ガラス繊維強化材料を応用した効果を確認する.(1)ロードセルセンサシステム:鋼板下部に設置した3個のセンサにて発生する荷重変化を測定し,最大荷重ならびに最大荷重から第二ピーク荷重までの時間を算出する.(2)フィルムセンサシステム:試料片下部の鋼板上にフィルムセンサを置き圧力分布を測定し,圧力分布面積と最大圧力を算出する.(3)高速度カメラシステム:試験様相を撮影し,鉄球の反発高さから,材料の反発様相を検索する. 3.マウスガード試作 衝撃試験①で有効と考えられたマウスガード構造をもとに,マウスガードを試作し,製作可能なことを確認する. 4.衝撃試験② 試作マウスガードを模型に装着して衝撃試験機上に固定して加撃する。評価は模型上の歯に接着した3軸 (KFG-1-120-D17) ひずみゲージにて行い,模型の歯の最大主ひずみ,最少主ひずみ,最大主応力を算出する. 衝撃試験①,②の結果をもとに,随時効果的なマウスガードの構造を試作・検討するべく必要に応じて1の試料片作製に戻りながら研究を推進する予定とする.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初次年度に予定していた計画を,当該年度に一部行うことが可能となったため,前倒し支払い請求を行った。しかし,前倒し請求分の一部が当該年度中に前倒し実施できず,当初予定通り次年度に実施することとなったため
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次年度使用額の使用計画 |
母材となるマウスガード材料の購入に充当する
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