研究課題/領域番号 |
26462950
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
入江 正郎 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90105594)
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研究分担者 |
西川 悟郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (00172635)
有田 憲司 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20168016)
田仲 持郎 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40171764)
斎藤 隆史 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40265070)
丸尾 幸憲 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314697)
長岡 紀幸 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70304326)
吉原 久美子 岡山大学, 大学病院, 助教 (90631581)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 球状シリカ / BMP / 象牙質 / 再生 / グラスアイオノマーセメント / 多機能型ウ蝕治療材料 |
研究実績の概要 |
骨形成タンパク質(BMP)は強力な骨・象牙質形成誘導活性を示すサイトカインとして各分野でその臨床応用が注目されている.われわれがナノテクノロジーを利用して開発した球状ナノアパタイト配合グラスアイオノマーセメントの機能にBMPの強力な生物活性を付与することにより,1)修復象牙質形成能(高いBMP徐放性),2)脱灰象牙質再石灰化能(高いフッ素徐放性),3)高い物性 4)高い歯質接着性 を有する多機能型ウ蝕治療材料を開発することを当該研究の目的とした. 当該研究では,強力な骨・象牙質形成誘導活性を示すサイトカインとして各分野で臨床応用が注目されているBMPに着目し,ウ蝕治療材料にその機能を導入するという着想に至った.具体的には,今回われわれがナノテクノロジーを応用して開発した球状ナノアパタイト配合グラスアイオノマーセメントの機能にBMPの強力な生物活性を付与することにより,多機能型ウ蝕治療材料を開発することを研究目的として本年度から実施している. 本年度は,初年度のため前回の研究課題(新規球状シリカを添加した抗ウ蝕性高強度を有するグラスアイオノマーセメントの開発)の未発表成果を整理して投稿用原稿を作成,投稿,この1月やっと受理(American Journal of Dentistry)に至った.そのため,当該研究実施に関しては,まだ初期段階であるBMP配合に適するようなグラスアイオノマーセメントの粉液比の調整中で,明白な結果はまだ得られてなく,次年度への検討課題である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機械的強さを期待した多機能型ウ蝕治療材料が完成のめどが立ち,今後当該研究を展開していきたい.
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今後の研究の推進方策 |
(1) In vitro 実験 方法:1) 機械的強さ.曲げ強さ,曲げ弾性率,破壊エネルギーの測定.2)歯質接着強さの測定:万能試験機に今回設備備品として計上した万能材料試験機用制御装置を併設して測定.3)マトッリクス部の硬さ測定.4)歯質窩洞辺縁部に生じる間隙の測定. (2)In vivo 実験 ラットの臼歯に人工的ウ窩を作成する.さらに30%リン酸水溶液を塗布して窩底部に脱灰象牙質を露出させ,深在性ウ蝕モデルを作製する.形成した窩洞にBMP含有球状ナノアパタイト配合グラスアイオノマーセメントを填塞(間接覆髄)する.覆髄後1~4 週で屠殺し,病理組織学的観察,H-E 染色標本を作製する.また,象牙質形成の指標となりうるDMP-1,DSP,BMP-2 などの免疫染色による修復象牙質の分析を行う.同様に一般歯科臨床で用いられている水酸化カルシウム製剤による覆髄実験も行い,修復象牙質形成過程,炎症の程度などを比較する.
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