研究課題
研究協力者の岡田の協力で表面処理が不必要と思われる粒径0.2~0.5 μmの球状ナノアパタイトフィラーを新規に開発,前回のテーマ(26年度科研費(C)に採択)と同様の種々の実験を試みた結果,前回の成果と同様,被膜厚さを損なわず,粉液比を上げることが可能となり,その結果機械的強さや歯質接着性が有意に向上した.今回はこの試作グラスアイオノマーセメントに,骨・象牙質形成誘導活性を示すサイトカインとして各分野で臨床応用が期待されている骨形成蛋白質(BMP)配合に着目,ウ蝕治療材料にその機能を導入することに着目に至った.具体的には1)修復象牙質形成能(継続したBMPの作用),2)脱灰象牙質再石灰化能(継続したフッ素徐放性),3)臼歯咬合面の修復にも期待される優れた機械的強さや歯質接着性を目指して在宅診療用に適した多機能型ウ蝕治療材料を開発することを目的として,3年経過した.最終年度の本年度(4年目)は,28年度(3年目)と同様にBMP配合による修復象牙質形成能を動物実験を使用して試みた.その結果,28年度(3年目)までの成果である機械的強さを重要視したBMPの配合量では修復象牙質形成能が僅かで,あまり成果らしき事実は発現されなかった.そのため,修復象牙質形成能を重要視したBMPの配合量では,28年度(3年目)までの成果に反して機械的強さが低下した.そのため,今後の課題として相反する両者を両立させる更なるアイデアが問題点と想像された.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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