金属ナノ粒子の歯科用接着性レジンの添加物としての応用の可能性を調べるため、ナノ粒子のMMP阻害作用(MMP assay)と細胞毒性(WST-8, LDH)を評価した。また、ナノ粒子をレジン材料に添加した場合の物性の変化を熱機械分析装置で評価した。多くのナノ粒子は、比較的低濃度で、MMP活性を阻害した。ナノ粒子がMMPの活性中心である亜鉛イオンとキレート結合してMMP活性を阻害する。レジンにナノ粒子を添加することにより物性は上昇した。ナノ粒子はMMP阻害作用があり、レジンの物性を向上させるが、一部の金属ナノ粒子(金ナノ粒子など)は細胞毒性を有しないため歯科臨床応用に魅力的な材料である。
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