研究課題/領域番号 |
26462955
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
村岡 渡 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), (非常勤) (70317254)
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研究分担者 |
和嶋 浩一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70138105)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 口腔顔面痛 / 顎関節症 / 中枢性感作 / 残感覚 |
研究実績の概要 |
中枢性感作判定のために確立された熱刺激プロトコールを臨床応用するため、中枢性感作診断装置を開発するため、従来の温冷痛覚計を用いた熱刺激プロトコールを、簡便に判定可能で小型化された中枢感作診断装置として開発した。その有用性が従来の大型の温冷痛覚計と同等であることを確認するため、intra-class reliability(検者内信頼性)およびinter-class reliability(検者間信頼性)を検証した。 ボランティアを追加して10名において従来のユニークメディカル社製の温冷痛覚計(UDH-300)と本研究により開発された携帯型中枢感作診断装置で、前述の熱刺激プロトコールを対象の咬筋直上の皮膚および腕部に加え、時間的荷重と残感覚の持続時間を測定した。 携帯型中枢感作刺激装置の精度向上のため、熱刺激間隔や設定温度、刺激時間などによる変化を詳細に検討し、最も適した状態になるよう調整を繰り返し試みた。 また、携帯型中枢感作診断装置を含めた定量的な感覚の総合評価法を、複数施設での臨床試験で中枢感作の高い正診率を示す新規バイオマーカーとして開発すべく、筋性顎関節症を対象に関連施設を含めて臨床試験を行う準備を進めた。携帯型中枢感作診断装置を用いた熱刺激プロトコールと圧痛閾値、2点弁別閾などを組み合わせた定量的感覚の総合的検査を用いて、対照群を用いた比較対象試験について実施案を作成し準備を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究により開発された携帯型中枢感作診断装置の精度向上のため、熱刺激と温度設定の微調整に時間を要した。試作機での検者間、装置間の検者内信頼性および検者間信頼性の解析、また、ユニークメディカル社製の温冷痛覚計(UDH-300)と同等の正診率であることを検証するために予想よりも時間を要した。その後、臨床での対象者の承諾を得るのにも予想よりも時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
携帯型中枢感作診断装置を含めた定量的な感覚の総合評価法を用いて、複数施設の臨床試験で中枢感作の高い正診率を示す新規バイオマーカーを開発すべく、臨床試験を実施していく。難治性顎関節症の客観的な病態診断法を確立することを目的に、筋性顎関節症を対して、治療開始前に、圧痛閾値、2点弁別閾、熱刺激プロトコールを実施する。その後、一時治療として疼痛緩和に有効とされるストレッチとマッサージによる理学療法を実施、その有効性も評価する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
臨床試験が実施遅延となった。
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次年度使用額の使用計画 |
臨床試験の遂行と学会発表を予定。
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