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2014 年度 実施状況報告書

赤外分光法による口腔環境のその場化学分析の試み

研究課題

研究課題/領域番号 26462957
研究機関昭和大学

研究代表者

山本 雅人  昭和大学, 教養部, 准教授 (50277844)

研究分担者 藤島 昭宏  昭和大学, 歯学部, 講師 (50209045)
井上 利志子  昭和大学, 歯学部, 研究補助員 (90398701)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワード赤外分光法 / 呼気 / エナメル質 / 高分解能測定 / 菌由来の気体成分 / 高感度ガス分析 / 多変量解析 / ケモメトリックス
研究実績の概要

口腔環境の化学分析を赤外分光法で迅速・高感度・非侵襲に行うため、まずは気体成分に焦点をあてて実験を開始した。高感度に赤外吸収スペクトルが取得可能なように光路長の長いガスセルを用意し、ヒトの呼気や色々な場所の空気とあわせて、特定の種類の菌から排出されたガス成分についても、高感度・高分解能の赤外スペクトルを蓄積した。緑膿菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌について調べ、それぞれに特徴的なパターンがあることが示唆された。様々な環境要因と生命現象に由来する情報の区別が最初のポイントと考えられ、蓄積された赤外スペクトルについて、統計学的手法を用いて情報整理を試みている。
上記の研究とあわせて、歯の表面を構成するエナメル質の偏光ATR測定も行い、赤外光による反射から得られる情報も取得しつつある。エナメル質の断面表層において異方的な分子構造の存在が示唆され、その詳細を検討中である。このように、透過法と反射法の両方を用いて、口腔環境のその場化学分析の可能性を模索している。
今後の可能性の高い方向性としては、呼気など生体由来の気体成分を赤外光で高感度・高分解能に測定し、スペクトル情報を規格化して蓄積し、多変量解析・クラスター分析(ケモメトリックス)を可能にすることである。分子構造と結びついた科学的基礎情報が引き出せるビッグデータとして、赤外スペクトルの蓄積が活用できるように、その基盤づくりと重なるように実験を進めようとしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本来の目的である、口腔環境のその場化学分析を、赤外分光法でより効率的・非侵襲的に行うために、生体由来の気体成分の分析に焦点を当てて実験を進めている。

今後の研究の推進方策

多様な化学種が含まれる混合気体試料の解析方法を開拓したい。中赤外領域における高感度・高分解能赤外スペクトルの統計学的な処理方法を検討していく。近赤外領域のスペクトル処理で活用されているケモメトリックスの手法をさらにアレンジして、複雑な系についても適用可能にしていきたい。

次年度使用額が生じた理由

各種気体試料の収集のタイミングが後にずれたため。

次年度使用額の使用計画

試料収集に用いる気体封入袋を購入する予定である。

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公開日: 2016-05-27  

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