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2018 年度 実施状況報告書

赤外分光法による口腔環境のその場化学分析の試み

研究課題

研究課題/領域番号 26462957
研究機関昭和大学

研究代表者

山本 雅人  昭和大学, 教養部, 准教授 (50277844)

研究分担者 藤島 昭宏  昭和大学, 歯学部, 講師 (50209045) [辞退]
井上 利志子  昭和大学, 歯学部, 研究補助員 (90398701)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2020-03-31
キーワード赤外光 / 緑膿菌 / アシネトバクター・バウマニ / 菌種スクリーニング / 菌常時簡易モニター / 揮発性化合物
研究実績の概要

緑膿菌、プレボテラ・インターメディア、肺炎桿菌、ポルフィロモナス・ジンジバリス、大腸菌、黄色ブドウ球菌、エンテロバクター・クロアカエ、エンテロバクター・アエロゲネス、アシネトバクター・バウマニ、フソバクテリウム・ヌクレアタム、肺炎球菌の11種類の菌を、周辺空気の赤外吸収から判別する方法を見出した。その際に使用する赤外光の固定波数を複数特定し、判別する手順を作成した。つまり、特定の発振波長をもつ赤外レーザーを用いて、上記の菌を常時簡易モニターする基礎情報が得られた。
本研究ではさらに、多様な条件においてヒトの呼気による赤外線吸収を調べた結果と、特定の嫌気性菌による赤外線吸収との相関を調べた。その結果、歯周病を検知できる可能性を見出している。
また、ヒトの排泄物のにおい成分と代表的な腸内細菌からの揮発成分、それぞれの赤外吸収(ピークの波数・相対強度)の相関も検討している。ヒトの健康と関わる腸内細菌分布情報が赤外線を使って容易に得られるようになる可能性を検討中である。
これらの成果は、多様な気体試料の高分解能赤外スペクトルの蓄積から、適切な情報処理技術を駆使して得られた。このデータベースの拡大と、潜在する情報の抽出は現在も進行中である。上記の一部の内容については特許出願中(特願 2017-238810)であり、それ以外の内容についても特許申請の可能性を検討した上で、学会発表・論文投稿を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヒトの健康と関わる情報が、気体試料の高分解能赤外吸収スペクトルの蓄積から、想定よりも多く抽出できつつある。つまり、病気と関わるにおい物質の検知が赤外光を用いてできる可能性が高く、その可能性を高めるためにデータベースの拡大を優先して、研究を進めてきた。特許申請との関係もあり、学会・論文発表はこれからである。

今後の研究の推進方策

データベースの拡大を加速させるために、オートサンプラーをつくる予定である。あわせて、これまでの成果を発表する準備を進める。

次年度使用額が生じた理由

微生物やヒトに由来する生体ガスを含む、多様な気体試料の高分解能・高感度赤外吸収スペクトルの蓄積から、想定よりも多くの情報が得られつつある。例として、緑膿菌やアシネトバクター・バウマニなど院内感染の原因になる菌の繁殖を敏感に検知する赤外線システムを可能にする情報がある。この他9種類の菌についても、特定の波数の赤外線から判別できることが分かった。さらに口腔内での嫌気性菌の存在と歯周病との相関も確認されつつある。また、腸内細菌分布と関わる情報もヒト周辺の空気から赤外線を使って取得できる可能性が示されつつある。これらをより詳細にし、統計的により確かなものにして、応用の可能性を高めるためには、データベースの拡大が急務である。そこで、本研究を継続し、オートサンプラーをつくることで、データベースの蓄積をより加速し、より多くの成果を得られるようにする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 産業財産権 (1件)

  • [産業財産権] 微生物のスクリーニング方法及びスクリーニング装置2017

    • 発明者名
      山本雅人、荒田悟、稲垣昌博
    • 権利者名
      山本雅人、荒田悟、稲垣昌博
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2017-238810

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公開日: 2020-03-17  

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