研究実績の概要 |
平成26年度は、咬合関連疾患を有する患者の咬合接触様相が脳幹反射に及ぼす影響について研究を進める上で必要な、咬合接触関係の客観的評価を行うために、は健常者における口腔内および2種類の印象法による石膏模型上での咬合接触面積を,咬合接触検査材を用いて比較,検討した.被験者は顎口腔領域に異常を認めない12人とし,咬合接触検査は,最大随意的クレンチング(MVC)を筋電計にて記録後,ビジュアルフィードバックを用いて咬頭嵌合位における最小限の力,20%MVC,40%MVCの3条件下で行った.口腔内における直接法での咬合接触検査(DE)は,以上の3条件にて咬合接触検査材(Blue Silicone, GC, Tokyo)を用いて記録した.通法の印象法により作製した模型上での間接咬合接触検査(IEC),咬合印象法を用いた模型上での間接咬合接触検査(IEO)は3条件で採得した咬合採得材を用いて,各条件にて咬合器付着を行い,模型上で1Kgの荷重にて得られた咬合接触検査材を用いて記録した.測定した咬合接触検査材は咬合診断装置(BITEEYE BE-I, GC, Tokyo)を用いて咬合接触面積を算出した.DEにおける咬合接触面積はIEO,IECと比較して全てのクレンチング強度で有意に大きな値を示した(P<0.05).IEO における40%MVCの咬合接触面積はIECと比較して有意に大きな値を示した(P<0.05).直接法による咬合接触検査が口腔内の咬合接触状態を最も良く反映し,石膏模型上では咬合印象法はシリコーン印象材を用いた通法の印象法より咬合接触状態を良好に再現されることが示唆された.
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