研究課題/領域番号 |
26462963
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
千葉 美麗 東北大学, 歯学研究科, 講師 (10236820)
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研究分担者 |
五十嵐 薫 東北大学, 歯学研究科, 教授 (70202851)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 振動刺激 / 骨芽細胞 / ERK1/2 / アクチンストレスファイバー / ビンキュリン / 接着斑 |
研究実績の概要 |
振動刺激が歯周組織を賦活化することが明らかになってきているが、歯周組織再生における応答機構には不明な点が多い。本研究は、第一に、振動刺激による歯周組織に発現誘導される分子群とそのシグナリング機構を解明し、歯周組織改造/再生に関わる分子基盤を解明することと、第二に、臨床応用を想定し、歯周組織改造/再生モデルとして、矯正学的歯の移動モデル動物を用い、振動刺激に対する応答機構を解析し、副作用がない、速やかな歯周組織リモデリング機構制御法を確立することを目的とする。 本年度は、これまで用いてきたタイプIコラーゲンでコートしたシリコン膜製の細胞培養ウェルよりも、培養面積が広くタンパクが十分に回収でき、さらに薄く顕微鏡観察が容易で比較的均一なひずみ分布を示すことが報告されている細胞培養ウェルを用いて、細胞応答とシグナル伝達経路を解析した。培養表面に生じたひずみをシングルストレインゲージを用いたひずみゲージ法により測定し、ひずみの分布を確認した。骨芽細胞様細胞MC3T3-E1細胞に振動刺激を負荷し、F-アクチンの形態的変化とビンキュリンの局在を免疫染色にて共焦点顕微鏡を用いて評価し、さらに、ERK1/2(Extracellular signal-regulated kinase 1/2)のリン酸化をウェスタンブロッティング法にて解析した。その結果、振動刺激負荷15分後から一過性のERK1/2(Extracellular signal-regulated kinase 1/2)のリン酸化が起こり、そのリン酸化はMEK1/2(Mitogen-activated protein kinase kinase 1/2)阻害剤により抑制された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文の投稿、公開まで進めることができた。 また、振動刺激に対する骨芽細胞のシグナル伝達系について、重要な知見が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って、これまでの研究成果をさらに追求し、研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度の平成26年度に、研究棟改築工事の(平成25年7月から平成26年10月)の日程が、当初に予定していた平成26年3月終了から、7ヶ月遅れて平成26年10月終了となり、その後の移転作業の影響による研究の遅延があり、平成26年度に次年度使用額が生じた。平成27、28年度は、研究の遅れを取り戻す努力を進め、予算も使用したが、わずかに次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
当初の研究計画に沿って、研究を加速し、それに伴って使用を遂行する。
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