研究課題/領域番号 |
26462973
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
村上 和宏 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (60569078)
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研究分担者 |
山本 一彦 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (20243842)
石田 純一 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (40724638)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 歯科インプラント / 即時・早期荷重 / 動的荷重 / 微小動揺 / オッセオインテグレーション / 有限要素解析 / インプラント安定度 / 骨形態計測 |
研究実績の概要 |
本研究における目的は即時・早期荷重におけるオッセオインテグレーションを獲得する閾値と最適荷重開始時期について解明することである。今回ウサギ脛骨にインプラントを埋入し、インプラント埋入翌日、2、3、4日後に一定の変位(240μmの変位(インプラントNECKから上方10mmの位置にての変位))を与えて、その変位の変化を測定した。結果として翌日と、2日後の荷重に関しては荷重後に一時的な安定度の低下(インプラント変位量の増加、つまりゆるみ)が生じる。その後変位量が減少してオッセオインテグレーションを獲得する。3、4日後から荷重を開始した場合は荷重後の安定度の低下は認められなかった。このことからインプラントの荷重を開始する最適な時期はウサギでは埋入後3日以降にてゆるみをきたさない安全な時期であると判明した。ウサギの骨のturnoverが人の4倍とした場合およそ12日~14日後であると推測される。また荷重の閾値については上記変位を与えた荷重値の大きさは1.9~3.4Nの範囲にて荷重を与えた。結果として2.8N 以上の荷重を加えた場合1例を除いたすべてがオッセオインテグレーションを獲得できなかった。このことから最適荷重開始時期とオッセオインテグレーション獲得のための荷重の大きさが判明した。これらのデータをもとに人に応用することで、即時・早期荷重の成功率を上昇させることが可能と推測される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在まで15頭のデータのサンプリングを行っているが、荷重開始時期の違うウサギの群をそれぞれ同数にするためのこり5頭ほどのサンプリングが必要である。またこれらのデータは変位を測定したのみで、骨形態計測を行っていないため、今後これらを早急にする必要がある。また論文作成期間も考えた場合、やや遅延しているため現在、急ぎこれに対応している。
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今後の研究の推進方策 |
動物実験が終了次第、採取骨のCT検査、および組織標本の作製を行う。組織標本ができ次第骨形態計測に速やかに移行し、データの吟味を行い、最終データを決定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験デバイスおよび実験動物、薬剤など動物実験に必要なものに使用した。今後はこれらの実験にて採取したサンプルを検討するために、μCT撮影や標本作成を行う必要があり、これらをまだ行っていないため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
動物実験についてはあと数か月にて終了するため、終了次第、採取サンプルの検討のため上記を実行に移す予定である。
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