研究課題
歯科や顎顔面インプラントなどの経粘膜(皮)チタンインプラントの周囲軟組織との封鎖性はインプラント周囲炎予防にとって重要であるが,強固な結合組織性付着は存在しない.アルカリ熱処理により,チタン表面に規則的な多孔性のナノ突起や孔を形成することができる.そのナノ表面形態は線維芽細胞の機能を向上させ,表面内にコラーゲン線維を封入させ,強固な結合組織付着を獲得できる可能性がある.本研究の目的は,アルカリ熱処理チタン表面が歯肉および皮膚線維芽細胞の接着性と機能に与える影響を培養試験的に検証し,結合組織性付着を獲得するかどうかを動物実験的に検証することである.試料として,機械研磨面および機械研磨面にアルカリ熱処理した表面(AH表面)もしくは酸処理した表面を持つグレードIIチタン試料を用いた.ラット初代継代歯肉線維芽細胞もしくはヒト真皮線維芽細胞を試料上で1日間培養したところ,機械研磨面上では同一方向に伸展または酸処理面上では小さく厚い細胞が認められたのに対し,AH表面上では多方向に伸展した細胞突起を伴う円形の細胞が細胞周縁上に細胞骨格が集積したポドゾーム様構造を呈していた.どちらの線維芽細胞も培養7および14日後のI型およびIII型コラーゲンなどの細胞外基質産生はAH上で著しく増加した.また,酵素,化学および機械的剥離力に曝露後に大部分が剥離してしまった機械研磨面や酸処理面上の細胞外基質とは異なり,AH表面上では50から80%の細胞外基質が残存していた.ウサギ中切歯口蓋側歯肉に埋入した機械研磨面チタンインプラントでは歯肉組織が表面に平行に配向しているのみであったが,天然歯歯肉組織の歯根セメント質と歯肉線維との間に形成されるシャーピー線維に類似し,AH表面インプラントでは,歯肉線維が表面に直交し,表面内部に線維端が封入されることを組織学的観察および走査型電子顕微鏡観察で確認した.
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