研究課題/領域番号 |
26462984
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
川木 晴美 朝日大学, 歯学部, 准教授 (70513670)
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研究分担者 |
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 名誉教授 (40116067)
近藤 信夫 朝日大学, 歯学部, 教授 (40202072)
田辺 俊一郎 朝日大学, 歯学部, 准教授 (60227197)
高山 英次 朝日大学, 歯学部, 准教授 (70533446)
神谷 真子 朝日大学, 経営学部, 准教授 (80181907)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 炭酸アパタイト / バイオセラミックス / 骨補填材 / 生体親和性 / 骨再生 / MAPK / FAK / インテグリン |
研究実績の概要 |
引き続き炭酸含有アパタイト(CA)の骨再生過程における機能解析とCA骨補填材の最適化のため、CA存在下での細胞動態解析と、骨欠損動物モデルによるCAの評価を行い以下の結果を得た。 ①CA上での培養細胞応答性解析では、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hBMC)を用いたインテグリン阻害の系で、ERK1/2経路が関与する細胞増殖およびp38MAPK経路が関与する骨芽細胞様細胞への分化が阻害され、特にERK1/2経路の阻害が顕著であった。また、細胞増殖では一部PI3K/Akt経路の関与も示唆された。一方、歯髄由来幹細胞(hDPSC)では、インテグリン阻害によるp38MAPKのリン酸化の減弱等はみられず、ERK1/2経路の阻害が顕著であった。脂肪組織由来幹細胞(hASC)では細胞増殖、骨芽細胞様細胞への分化ともに前記2種の幹細胞と比較して緩慢であり、インテグリン阻害の有無による顕著な差はみとめられず、細胞種により応答性が異なることが示された。また、CAに吸着するタンパク質の検討は、焼成温度の異なるCAと水酸化アパタイト(HA)について等電点電気泳動による泳動パターンの比較を行っている。 ②動物モデルでのCAの骨再生能の検討では、CA填入後6か月~1年の長期モデルを中心に解析し、CA填入群でTRAP陽性細胞が顕著に検出された。そこで、培養系でも解析し、CAで、TRAP陽性細胞、カテプシンK活性陽性のアクチンリングをもつ多核の巨細胞が顕著にみられ、CA存在下でM-CSF,RANKLを含有する破骨細胞分化誘導培養系では、培地中のカルシウムおよび無機リンの濃度が有意に上昇し、さらに、CAは非接触条件で、hBMSCおよびhASCの遊走も促進した。これらの結果からCAは破骨細胞分化にも適した足場であると同時に、破骨細胞による吸収を受け得る材料であることが示唆された。
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