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2014 年度 実施状況報告書

骨芽細胞分化誘導能を有する亜鉛徐放型チタン系フレームワークの創製

研究課題

研究課題/領域番号 26462993
研究機関秋田大学

研究代表者

福田 雅幸  秋田大学, 医学部, 准教授(病院教授) (20272049)

研究分担者 山本 修  山形大学, 理工学研究科, 教授 (00230540)
高野 裕史  秋田大学, 医学部, 助教 (30282172)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード顎骨再建 / チタン / フレームワーク
研究実績の概要

【方法】材料は純チタン(Ti)のメッシュで、表面処理には、水酸化ナトリウム水溶液に硝酸亜鉛水溶液を加え、さらに水酸化ナトリウム水溶液を加えて得られたテトラヒドロキシ亜鉛酸錯体を含む水溶液を用いた。チタンメッシュをこの錯体水溶液に浸漬し、60℃で12、24、48時間保持することで試料を作製した(Zn-Tiフレームワーク)。 試料の表面性状は、電子顕微鏡写真(SEM)、エネルギー分散型X線分析(EDX)、薄膜X線回折(TF-XRD)およびX線光電子分光分析(XPS)で評価した。また、試料を超純水中に72時間浸漬し、亜鉛溶出液(EZ:Eluted Zinc ion)を精製した。亜鉛イオンの濃度の測定は、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-AES:Inductively coupled plasma-atomic emission spectrometry)を用いて行った。コントロールには、未処理のTiを用いた。
【結果】材料を12時間および48時間浸漬した試料は、表面性状が安定せず、本研究から除外した。24時間表面処理した試料の表面は、SEMでは、非常に細かい凹凸が形成しており、EDXの元素分析では、亜鉛が検出された。TF-XRDでは、非常にブロードな酸化チタンに相当する回折ピークが検出され、表面にはアモルファスに近い酸化チタンが形成された。XPSからは、TiO2-Xの傾斜組成をもち、その表面に約20nmの厚さの化学修飾亜鉛層が認められた。また、亜鉛イオンの除放は、浸漬後4時間で始まり、72時間で650nMに達することが判った。
【まとめ】作製したZn-Tiフレームワークは、亜鉛徐放型チタンとしての性質を有し、平成27年度以降は、Zn-Tiフレームワークから徐放された亜鉛イオンが骨芽細胞に及ぼす影響について検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回作製した亜鉛徐放型フレームワークは、亜鉛イオンを安定して徐放する機能を有することが確認できた。平成27年度以降は、亜鉛徐放型フレームワークから徐放された亜鉛イオンが骨芽細胞に及ぼす影響について検討することが可能であり、予定通りに進展している。

今後の研究の推進方策

平成27年度以降は、亜鉛徐放型フレームワークから徐放された亜鉛イオンが骨芽細胞に及ぼす影響について検討する。

次年度使用額が生じた理由

実験材料、試薬、実験助手にかかる費用が当初の予定より低く抑えられたため、平成27年度以降の人件費、細胞実験や動物実験にかかる費用に用いることとした。

次年度使用額の使用計画

平成27年度は、Zn-Tiフレームワークから徐放される亜鉛イオンが骨芽細胞に及ぼす影響についての検討およびZn-Tiフレームワーク周囲の骨形成能のスクリーニングを行う予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 歯科用インプラントとしてのガラス状炭素の検討2014

    • 著者名/発表者名
      山本 修,遊佐和之,福田雅幸,飯野光喜
    • 学会等名
      第34回日本口腔インプラント学会東北・北海道支部総会・学術大会
    • 発表場所
      山形テルサ
    • 年月日
      2014-11-15
  • [学会発表] 口腔癌治療後のインプラント治療について2014

    • 著者名/発表者名
      福田雅幸
    • 学会等名
      第59回日本口腔外科学会総会
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      2014-10-19
    • 招待講演
  • [学会発表] インプラント義歯により咬合再建を行った口腔癌放射線治療症例の臨床的検討2014

    • 著者名/発表者名
      髙野裕史,福田雅幸,他
    • 学会等名
      第59回日本口腔外科学会総会
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      2014-10-18
  • [学会発表] 水和亜鉛イオンは歯髄由来細胞の骨芽細胞分化を促進する2014

    • 著者名/発表者名
      遊佐和之,尾崎 尚,髙野裕史,福田雅幸,飯野光喜
    • 学会等名
      第59回日本口腔外科学会総会
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      2014-10-18
  • [学会発表] 口腔癌放射線治療後のインプラント義歯症例における臨床的検討2014

    • 著者名/発表者名
      髙野裕史,福田雅幸、他
    • 学会等名
      第44回日本口腔インプラント学会学術大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      2014-09-14
  • [学会発表] 亜鉛修飾したインプラントの骨接着性と細菌付着2014

    • 著者名/発表者名
      山本 修,遊佐和之,福田雅幸,飯野光喜
    • 学会等名
      第44回日本口腔インプラント学会学術大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      2014-09-13
  • [学会発表] 亜鉛イオン含有液による歯髄幹細胞の骨芽細胞分化促進作用2014

    • 著者名/発表者名
      遊佐和之,山本 修,髙野裕史,福田雅幸,飯野光喜
    • 学会等名
      第44回日本口腔インプラント学会学術大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      2014-09-13
  • [図書] Implant Dentistry Encyclopedia2014

    • 著者名/発表者名
      田中収,嶋田淳,白川正順(編),福田雅幸(分担執筆)
    • 総ページ数
      297頁(p.165, 223-224)
    • 出版者
      クインテッセンス出版
  • [図書] 口腔インプラント学学術用語集第3版2014

    • 著者名/発表者名
      日本口腔インプラント学会(編),福田雅幸(分担執筆)
    • 総ページ数
      131頁(p.21, 23, 24, 25, 26)
    • 出版者
      医歯薬出版

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公開日: 2016-05-27  

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