研究課題/領域番号 |
26463001
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
川口 知子(武田知子) 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (30509815)
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研究分担者 |
飯田 一規 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (30585237)
玉置 也剛 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40585303)
柴田 敏之 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50226172)
畠山 大二郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (60377653)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 歯髄由来細胞 / iPS細胞 |
研究実績の概要 |
我々は、種々の形成段階にあるヒト智歯より歯髄由来細胞(Dental Pulp Cells: DPC)を250ライン樹立・保有し、より未熟な歯髄由来のDPCは高い増殖能・分化能(ステムネス性)を持つこと(Takeda et al. J Dent Res. 2008)、DPCがiPS細胞の源として活用可能であることを明らかにした(Tamaoki al. J Dent Res. 2010)。ただ、これまでに樹立したDPCは動物由来物質・因子を使用していたため、我々はより安全な動物由来の物質・因子を使わない『アニマルフリー』でのDPCの樹立およびを安全性について検討してきた。近年、DPCを移植して、ラット脊髄損傷に伴う運動障害が著明に回復したとの報告がある(Sakai et al. J Clin Invest. 2012)。そこで、本研究では、①再生医療に活用可能なアニマルフリーでのDPCおよびiPS細胞の大量培養法を確立する。②大量培養したアニマルフリーDPCを脊髄損傷動物モデルに用いることで、さらに安全な機能回復を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H26年度 研究計画のため、まず血清を用いない条件でDPC樹立に関する実験および論文作成を行い、PLOS ONE に『Derivation of iPSCs after Culture of Human Dental Pulp Cells under Defined Conditions』(2014)に再生医療に使う歯髄由来細胞は、できるだけ安全であったほうがよく、現在市場で売られている試薬を組み合わせて、少しでも安全に歯髄細胞を作り、そこからiPS細胞を誘導するかについて検討した論文を発表した。 そこから目標としていた『アニマルフリー条件で樹立したDPCの大量培養法の確立』を検討する予定であったが、 論文投稿のための追加実験に時間がかかり、またより安全な方法が見つかり、更なる検討が必要になったため大量培養法の確立にまだすすんでいないため。
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今後の研究の推進方策 |
◇より安全に培養されたDPCの細胞性質および安全性の確認:培養した10%ウシ血清含有培地を用いて樹立したヒトDPCとアニマルフリーで樹立したDPCで、以下の項目を比較し、アニマルフリーで樹立したDPCの細胞性質および安全性を確認する。動物由来の物質・因子よる安全性を比較するため、継代初期と培養後において通常(10%ウシ血清)とアニマルフリー培養の違いを以下の項目において比較し、動物由来因子の影響について検証する。・増殖能および分化能が大量培養後に維持されているかどうか・発現遺伝子の比較(主に発癌関連等)・ウシ血清由来プリオンや外来微生物(病原性ウイルス、マイコプラズマ等)の汚染の有無の検出・染色体異常の有無。これらの検討により、アニマルフリー条件下で樹立・培養されたヒトDPCの安全性を明らかにし、臨床応用に向けたDPCの安全性を確立する。 ◇培養したDPCを脊髄損傷モデル動物に移植し機能回復の検証:大量培養した10%ウシ血清含有培地を用いて樹立したヒトDPCとアニマルフリーで樹立したDPCを用いて、ラット脊髄損傷モデルに移植し神経損傷による運動機能の回復の検証を行う。・ラット脊髄損傷モデルに大量培養した従来の条件で樹立したDPCおよびアニマルフリー条件で樹立したDPCを移植し、神経損傷による運動機能の回復を比較検討する。・運動機能の回復の測定 (BBBスコア等)・移植後の細胞の染色体異常の有無等の細胞安全性について検証・大量培養したアニマルフリー条件下で樹立したDPCを移植して、脊髄損傷モデルの運動機能の回復の改善がみられない場合は、大量培養による影響を調べるため、発現遺伝子を比較する。また細胞の遊走性等の能力についても比較することで、運動機能の回復には何が必要かを検討する。 本検討により、再生医療に向け、安全性の高い細胞を供給できる方法を模索する。
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