これまで我々が樹立したヒト歯髄由来細胞(DPC)は、ウシ血清(FBS)が含まれた培地で培養していた。そのためFBS由来のプリオンや外来微生物による汚染は否定できなかった。そこで、動物由来物質・因子を使わない条件を模索してDPCを樹立し、iPS細胞への誘導についても検討した。近年、脊髄損傷モデル動物の損傷部位に細胞を移植すると運動機能を改善することが報告された。我々は独自に検討を重ね、塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF2)で処理したFBSを使用しない条件下で樹立したDPCの移植により脊髄損傷後の運動機能改善効果が認められることを見出した。
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