研究課題
これまでBRONJの発症メカニズムの解明にはビスフォスフォネート(BP)の直接作用対象である破骨細胞に関する研究が重点的になされてきているが、その発生機序は未だ不明である。筆者らはBRONJの発症メカニズムにおいて骨芽細胞の骨形成作用の抑制が重要ではないかという仮説を立てた。本研究では骨芽細胞がBRONJの発症時に果たす役割を明らかにし、骨芽細胞を活性化する人甲状腺ホルモン(PTH)がBRONJの改善に有効であるかを検証する。まず、BP存在下で培養した上皮細胞の培地を解析する。プロテインアレイ、サイトカインアレイを用いてBPにより有為に上昇した各種タンパク質、サイトカインを検索する。上記培地で骨芽細胞を培養し、アルカリフォスファターゼ活性(ALP)やオステオカルシン(OC)、オステオポンチン(OP)などの活性化マーカーや細胞増殖アッセイ、アポトーシスアッセイを行い、骨芽細胞の活性変化を調べる。対照群としてBPを直接作用させた骨芽細胞を用いる。
3: やや遅れている
前年度の実験計画としてBP存在下で培養した上皮細胞の培地を解析中である。しかし再亜棒の培養が上手くいかず、当初予定したプロテインアレイ等による詳細な解析をおこなう事が出来なかった。今年度より解析を再開予定である。
BPに加えてTNF-α、IL-6、LPSなどの炎症性サイトカインやエンドトキシン等の炎症誘発物質を添加し、上皮細胞を培養した培地を分析して、コントロール群に対し上昇したタンパク質、サイトカインを検討していく。更にその培地を用いて骨芽細胞を培養したのち、細胞活性マーカー(ALP、OC、OP、細胞増殖、アポトーシス)を解析する。サイトカインを直接添加したコントロール群と共に細胞RNAを回収しマイクロアレイ、RT-PCRを行い、網羅的に遺伝子発現を解析する。
細胞培養が当初の予定どうり進まず、機能解析をおこなう予定が遅れているため。
今後の機能解析に使用予定。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)
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