| 研究課題/領域番号 |
26463007
|
|---|
| 研究機関 | 広島大学 |
|---|
研究代表者 |
太田 耕司 広島大学, 大学病院, 助教 (20335681)
|
|---|
| 研究分担者 |
武知 正晃 広島大学, 医歯薬・保健学研究院(歯), 准教授 (00304535)
重石 英生 広島大学, 医歯薬・保健学研究院(歯), 助教 (90397943)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| キーワード | Heme oxygenase I / Candida 症 |
|---|
| 研究実績の概要 |
申請者らは口腔粘膜上皮細胞にC.albicans加熱死菌を添加し，発現が誘導される特異的遺伝子をマイクロアレイ法によって解析し，C.albicansにより抗酸化ストレス作用、抗細胞障害作用など多彩な防御作用をもつHeme oxygenase I (HO-1)が誘導されることを発見した.本研究の目的は、口腔粘膜細胞がCa の構成成分を認識し、口腔粘膜防御機構としてのHO-1 発現誘導される機能を解析し、さらにCandida 症を含む口腔粘膜疾患におけるHO-1の役割を検討する。本年度は不死化口腔粘膜上皮細胞RT7にC.albicans生菌，C.albicans，C.grabrata, C. tropicalis, E. coli, S. aureusの加熱死菌，C.albicansから抽出したbeta-glucan，mannan懸濁液を添加培養し，HO-1の発現をRealtime-PCR法，Western blotting法で検討した.さらにHO-1蛋白の発現と局在を細胞蛍光免疫法にて検討した。今回の結果から、RT7にC.albicansの生菌、加熱死菌、他のCandida 属の加熱死菌を添加した結果、HO-1 のmRNA が増加した。熱アルカリ法によってC.albicansから抽出したbeta-glucanや市販の酵母をbeta-glucanをRT7へ添加することによってHO-1蛋白の発現が増加した．一方で，mannanやその他の菌であるE.coli, S.aureus加熱死菌の添加によるHO-1の発現誘導はみられなかった.HO-1 抗体を用いた細胞蛍光免疫染色の結果、HO-1 はRT7 の細胞質内で発現していた。本年度の結果から、口腔粘膜上皮細胞はC.albicansの細胞壁構成成分であるbeta-glucanを認識してHO-1 を誘導していることが示唆された。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回の結果の一部を第68回NPO法人日本口腔科学会学術集会(2014.5.8 東京）、第24回日本口腔内科学会・第27回日本口腔診断学会合同学術大会(2014.9.19 福岡）、第54 回日本口腔外科学会総会・学術大会(2014.10.17 幕張）にて報告した。
|
| 今後の研究の推進方策 |
Ca,β-glucan,上記のHO-1誘導因子で誘導される細胞内酸化ストレスを検討するためにDCF-DA 法によって活性酸素種(ROS)活性を検討する。またROS の前段階として活性化する酸化還元酵素であるNADPH oxidaseの阻害剤を添加した際にHO-1の誘導が抑制されることがわかっている。Ca 構成成分添加によるNADPH oxidaseの発現やNADH oxidase活性化のためのNADH oxidase複合体 (p47, p67)の細胞膜上での発現をWestern blotting法で検討する。さらに現在報告されているβ-glucan受容体の中和抗体あるいは受容体の SiRNAを作製し、受容体の制御によるHO-1発現の影響をWestern blotting法にて検討する。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
主に物品、旅費に使用したが、端数が生じた。
|
| 次年度使用額の使用計画 |
細胞培養関係などの物品費と研究発表における学会の旅費に使用する予定である。
|
