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2015 年度 実施状況報告書

口腔粘膜細胞のDNA認識機構の解明と口腔粘膜炎症の調節

研究課題

研究課題/領域番号 26463010
研究機関広島大学

研究代表者

西 裕美  広島大学, 大学病院, 助教 (70403558)

研究分担者 武知 正晃  広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 准教授 (00304535)
太田 耕司  広島大学, 大学病院, 助教 (20335681)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード口腔粘膜炎症性疾患
研究実績の概要

口腔粘膜細胞は細菌,ウイルスなど病原体の侵入に対して自然免疫応答に伴う特異的な防御反応を惹起すると考えられる。近年申請者らは口腔粘膜上皮細胞,線維芽細胞が非メチル化CPG モチーフをもつDNA(CPG-ODN)を認識する受容体TLR9を発現していること,さらに細胞内ウイルス認識受容体であるRIG-Iがdouble strand RNA を認識し,I型IFN を発現誘導することを国内外で初めて発見している。しかしながらヘルペスなどのDNA ウイルスに対する口腔粘膜細胞のDNA認識機構や口腔粘膜炎症性疾患との関与は不明である。申請者らは予備実験で口腔粘膜上皮細胞(RT7),線維芽細胞(GT1)が新規DNA認識受容体であるAIM2, IFI16を発現している結果を得ている。さらにAIM2, IFI16のligandと考えられている単純ヘルペス由来の DNAを細胞内にトランスフェクションした際に,炎症性サイトカインの発現が増加することを発見している。この結果は,口腔粘膜細胞がIFI16のような細胞内DNA センサーを持っており,DNA の侵入により抗ウイルス遺伝子や,炎症性遺伝子を発現することを示唆している。さらに申請者らは歯肉線維芽細胞にCPG-ODNを添加することでCXCL10 の発現誘導が抑制されることを報告している。これらの結果は粘膜炎症性疾患においてDNA受容体が炎症病態の形成に関与していること,さらに特異的DNAによるDNA受容体を介した粘膜炎症の抑制機構が存在することを示唆する。本実験はウイルス由来DNAに対する口腔粘膜上皮細胞,線維芽細胞によるDNA 認識受容体を介した口腔粘膜防御機構を明らかにし,さらに口腔粘膜炎症性疾患との関与や特異的DNA受容体を介した粘膜炎症制御,調節機構を検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

不死化口腔粘膜上皮細胞RT7,不死化歯肉線維芽細胞GT1にHSV由来の60bp double strand DNA (HSV-ds)及びsingle strand DNA(HSV-ss)をトランスフェクション試薬を用いて細胞内導入後,total-RNAを抽出し,cDNAを作製し,炎症性ケモカインのmRNAの発現誘導を定量的RT-PCR法で検討した.また, HSV-ds細胞内導入による蛋白の誘導をELISA法,Western blotting法にて検討した. その結果、RT7,GT1にHSV-dsを細胞内に導入することによって両細胞でCXCL10mRNAの発現が増加した.一方,HSV-ssの細胞導入ではそれらmRNA の発現の影響は認められなかった.更に,RT7,GT1にHSV-dsを細胞内導入することによってCXCL10蛋白の発現誘導が認められ,NF-kBシグナル伝達阻害剤であるBay11-7082によってその発現が抑制された.HSV-dsの導入によってIKB-αのリン酸化とNF-kBの核内での発現の増加が認められた.

今後の研究の推進方策

本年度はDNAウイルス認識受容体発現による受容体相互の細胞内伝達経路の干渉を検討するため、DNA認識受容体過剰発現株あるいはsiRNAによる欠損株を用いて特異的ligand 処理によって発現誘導される遺伝子の変化、相互のDNA認識受容体発現の変化をReal time PCR 法,western blotting法にて検討する。さらにDNAウイルス認識受容体発現による受容体相互の細胞内伝達経路の干渉を検討するため、siRNAによる欠損株を用いて特異的ligand 処理によって発現誘導される遺伝子の変化、相互のDNA認識受容体発現の変化をReal time PCR 法,western blotting法にて検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度必要な試薬購入のため予算確保した状態である

次年度使用額の使用計画

Real time PCR 法,western blotting法などを行う試薬予算とする

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公開日: 2017-01-06  

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