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2015 年度 実施状況報告書

口腔がん治療により生じる口腔細菌叢の量的・質的変化の次世代シーケンサーによる解析

研究課題

研究課題/領域番号 26463015
研究機関九州大学

研究代表者

大部 一成  九州大学, 大学病院, 講師 (80243955)

研究分担者 川野 真太郎  九州大学, 大学病院, 講師 (00398067)
竹下 徹  九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50546471)
中村 誠司  九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60189040)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード口腔がん / 口腔細菌叢 / 唾液検体 / 16SrRNA遺伝子 / 次世代シーケンサー / 化学放射線治療 / 口腔粘膜炎 / 周術期
研究実績の概要

平成27年度は被検者の新規登録を引き続き行い、新たに対象となった被検者からの口腔含嗽液検体の採取およびデータの取得を進めた。追加された検体については、含まれる各細菌の種類と構成比率を明らかにし、解析済みの検体のデータとともに口腔がん周術期の経過に伴う細菌構成の変動について検討を行った。
具体的には、まず本年度追加された口腔含嗽液検体からビーズ破砕法を用いて、含まれる微生物DNAの抽出を行った。これを鋳型として16SrRNA遺伝子における細菌共通配列である8Fおよび338Rを用いて同遺伝子の増幅を行い、次世代シーケンサーIon PGM (Thermofisher Scientific 社)を用いて塩基配列を解読した。得られたシーケンスリードのクオリティチェックの手順について再検討し、リバースプライマーの確認を追加することによりチェックを厳密にした。
27名の被検者における術前治療開始前、術前治療中、術前治療終了後、手術後経口摂取開始後の4時点の口腔細菌群集について、前年度に塩基配列解読をしたものとあわせておよそ200万リードの高品質リードが得られ、538 OTU(菌種レベル)に分類された。周術期の細菌構成の変化については、26年度の研究で認められた傾向が引き続いて認められた。細菌構成変動度を細菌構成類似度指標 UniFrac で評価すると術前治療前・中・後の変動よりも手術前と経口摂取開始間の変動の方が大きいことが示唆された。
術後経口摂取開始時点では、それまでと比べて構成菌種数の減少、Neisseria flavacens と Fusobacterium periodonticum といった菌種の構成比率の減少が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新たに27例の症例の集積ができたが、術前化学放射線治療群の症例数がやや少なかった。また、がん以外の疾患患者の細菌叢を把握しておく必要があるのではないかと考えられるため。

今後の研究の推進方策

次年度は、
1) 各群のサンプル数を増やして結果の信頼性を増すようにする
2) 菌種の構成比率だけでなく細菌量についても検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

一部試薬の入荷が遅れるため、27年度内の発注を行わなかったため余剰金が生じた。

次年度使用額の使用計画

上記余剰金は平成28年度に引き続いて行う分析の試薬購入費に充当する予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 九州大学病院顎顔面口腔外科における口腔がんの手術後に発生する肺炎についての臨床的検討2015

    • 著者名/発表者名
      大部一成、他
    • 学会等名
      第21回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会
    • 発表場所
      京都国際会館
    • 年月日
      2015-09-12 – 2015-09-12

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公開日: 2017-01-06  

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