研究課題/領域番号 |
26463020
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
不破 信和 横浜市立大学, 医学研究科, 客員准教授 (50156981)
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研究分担者 |
岩井 俊憲 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (00468191)
藤内 祝 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (50172127)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | インドシアニングリーン / 口腔外科手術 / 蛍光ナビゲーション / 血流 |
研究実績の概要 |
近年,術者の経験や技量によらず,手術の安全性と確実性を向上させるために,手術支援システムとしてナビゲーションシステムがさまざまな外科手術に導入されてきたが,術z年委撮影したCTなどの画像情報をもとにしてナビゲーション手術を行うため,容易に位置が偏位する軟組織を対象にするのは困難であった.そのため,術中に画像情報を容易に取得でき,位置偏位にも対応可能である新たなナビゲーション手術の開発が求められる.軟組織にも対応可能で,術中画像情報をもとにしたナビゲーションを行うために,人体に投与可能で血管内やリンパ管内でタンパクと結合し,蛍光画像として可視化できるインドシアニングリーンに着目した.本研究の目的は口腔顎顔面領域におけるインドシアニングリーンを用いた蛍光ナビゲーション手術を確立することである. 本年度は昨年度に引き続き,頭頸部再建時の皮弁血流評価のためにインドシアニングリーンを用いた.実際に使用したのはジアグノグリーンであり,2.5mg/mlに濃度を調整して使用した.腹直筋皮弁,深下腹壁動脈穿通枝皮弁,腓骨皮弁といった皮弁挙上で血管切離前にインドシアニングリーンを静脈投与し,蛍光画像医マージンぐシステムで皮弁の血流を確認した.皮弁に血流のない部分は蛍光発色しないため,血流のない皮弁をあらかじめ切除しておくことで,遊離組織移植を行った後に皮弁の血流不全が生じた症例はなかった.また,骨髄炎の腐骨除去時にも血流を評価するために,インドシアニングリーンを用いることで腐骨と正常骨の違いを観察可能であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
頭頸部再建に用いる遊離皮弁の血流評価を行うことで,術後の皮弁の部分壊死が生じるリスクを軽減できるようになった.また,骨髄炎に対する腐骨除去術に対しても,正確な手術が可能となったが,有用性を判断するためには,さらなる症例の集積の蓄積が必要である.
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今後の研究の推進方策 |
頭頸部再建時の遊離皮弁の血流評価や骨髄炎の腐骨の範囲の同定だけでなく,他の口腔外科手術にもインドシアニングリーンを用いる予定である.さらに,それぞれの手術の症例数を増やしていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
これまでの実施症例数が少なかったこと,予定していた学会出張を取りやめたことなどにより,次年度への繰り越しが生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
実施症例数を増加させ,成果の発表のために,学会参加や論文発表を行う予定である.
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