研究課題/領域番号 |
26463021
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
山本 俊郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40347472)
|
研究分担者 |
雨宮 傑 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90398389)
喜多 正和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60153087)
金村 成智 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70204542)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 培養細胞シート / 歯髄由来細胞 / 羊膜 / 骨分化誘導 |
研究実績の概要 |
【目的】歯周病は、歯を支える歯周組織を破壊する疾患であり、歯の喪失の最大の原因とされている。歯数の減少に伴う咀嚼力の低下は全身機能を低下させる。これまでに、我々は羊膜の細胞培養基質としての有用性に注目し、羊膜を基質とした培養口腔粘膜上皮細胞シートならびに培養歯根膜細胞シート、 培養歯髄細胞シートの作成方法を確立,している。とりわけ、培養口腔粘膜上皮細胞シートを用いた臨床応用では、拒絶反応等なく良好な結果を得、新たな再生医療として有用かつ有効であることを報告している。そこで今回我々は、作成した羊膜上培養歯髄由来細胞シートを骨分化誘導し、免疫組織学的な検討を加えたので報告する。 【方法】歯髄由来細胞は、便宜抜歯により抜去された智歯をセメントエナメル境で横断、歯髄組織のみを無菌的に採取し、10%FBS/DMEM培養液にて培養した。3~4代継代培養後、羊膜上にこれら歯髄由来細胞を播種し、10%FBS/DMEM(control群)あるいは骨分化誘導培地(アスコルビン酸、β-グリセロリン酸、デキサメサゾン添加10%FBS/DMEM 培地)(骨分化群)にて4週間培養。その後、免疫組織化学的検討を行った。 【結果】羊膜上歯髄由来細胞は、control群及び骨分化群ともに層状構造であり、シート状を示した。また、アリザリンレッドS染色において、骨分化群がcontrol群と比較し高い染色性を示し、免疫組織化学的検討においてもosetocalcinの高い発現性を認めた。 【考察】歯髄は歯の内部に位置し、放射線や細菌などによる汚染が少なく、医療廃棄物として廃棄されていた抜去歯から入手可能である為、細胞ソースとして有意であると考える。本研究結果より、歯髄由来細胞中に存在する幹細胞の骨分化による歯周組織再生の可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の実施は、本研究計画を実施するにあたり作製した交付申請書に従い、予定通り、作成した羊膜上培養歯髄由来細胞シートを骨分化誘導することに成功しているため。
|
今後の研究の推進方策 |
骨分化誘導した羊膜上培養歯髄由来細胞シートの臨床応用に向けて、その特性、特に、歯周病原因子(細菌やメカニカルストレスなど)に対する免疫学的な検討を行う予定である。
|