唾液分泌に果たすシスタチンの役割を検討した。 唾液中のシスタチンはシェーグレン症候群患者において著明に減少していた。シェーグレン症候群の口唇腺は、漿液腺房や粘液腺房の形態的変化が大きいほどTUNEL染色陽性細胞が多く、また、形態的変化が強い唾液腺組織では漿液半月のシスタチンSが低下していた。スタウロスポリンで処理してアポトーシスを誘導した培養細胞HSG cellに、シスタチンを添加するとアポトーシス阻害効果が認められた。 以上のようなことから、シェーグレン症候群における唾液分泌低下は、アポトーシス制御機能の破綻で生じ、この破壊はシスタチンによって制御できる可能性があること示唆された。
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