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2015 年度 実施状況報告書

がん幹細胞を標的とした光線免疫療法による低侵襲口腔癌治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26463028
研究機関鶴見大学

研究代表者

舘原 誠晃  鶴見大学, 歯学部, 講師 (90380089)

研究分担者 井出 信次  鶴見大学, 歯学部, 助教 (00611998)
徳山 麗子  鶴見大学, 歯学部, 助教 (20380090)
里村 一人  鶴見大学, 歯学部, 教授 (80243715)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード口腔癌 / がん幹細胞 / 標的癌治療 / 光線療法
研究実績の概要

本研究は口腔癌のがん幹細胞を標的とした低侵襲かつ根治的な光線免疫療法の開発を目的としている。昨年度では、口腔癌組織およびヒト口腔癌細胞株(HSC-2, HSC-3, HSC-4, SAS)にがん幹細胞のマーカーであるCD44v9が発現していることを免疫組織化学的染色および免疫細胞染色にて証明した。また、近赤外線照射装置を作製して光線波長を670-710 nm、ピーク波長690 nm、照度 25mW/cm2になるように調節した。近赤外線単独ではヒト口腔粘膜上皮細胞株(RT7)および各ヒト口腔癌細胞株の細胞増殖能に影響を及ぼさないことを確認した。
本年度では、フロアシアニンと抗CD44v9抗体との複合体を作製した。この複合体の結合能を確認するためにCD44v9が最も多く発現していたヒト口腔癌細胞株(SAS)を用いて検討した。培養液中にこの複合体を添加して口腔癌細胞を培養後に蛍光顕微鏡にて観察すると癌細胞の細胞膜に複合体が結合していることを確認した。次に、この複合体を用いた光線療免疫療法の効果についてヒト口腔癌細胞株(SAS)を用いて行った。複合体を添加して培養後、口腔癌細胞に近赤外線を照射すると細胞膜が破壊され徐々に細胞が死滅する像を観察した。このことから、抗CD44v9抗体とフロアシアニンの複合体を用いた光線免疫療法はヒト口腔癌細胞株に対して殺細胞効果があることが示された。
現在、SAS以外のヒト口腔癌細胞株においても同様の研究を進めている。今後、ヒト口腔癌モデルマウスにて本療法の効果を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度では、細胞培養系において抗CD44v9抗体とフロアシアニンの複合体の至適濃度を決定する予定であった。しかし、抗CD44v9抗体とフロアシアニン複合体とヒト口腔癌細胞株との結合能の確認が予想に反して時間を要した。さらに、抗CD44v9抗体とフロアシアニン複合体を多量に作成できないため研究毎に作成が必要となっている。そのため、研究計画に対してやや遅れが出てしまった。

今後の研究の推進方策

研究計画に対して遅れが出ているが、各口腔癌細胞株の培養技術や抗ヒトCD44v9抗体複合体の作製技術は安定してきているため、早急に抗ヒトCD44v9抗体複合体の至適最小濃度と近赤外線の照射条件を決定することは可能と考えている。また、これらの結果に基づいてヒト口腔癌細胞を移植して作成した口腔癌移植マウスにおいて抗CD44v9抗体とフロアシアニン複合体を用いた光線免疫療法の有効性を検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

抗CD44v9抗体とフロアシアニン複合体の結合能の検討において条件設定(細胞培養数、培養時間、撮影のタイミングなど)に時間を要したことと、また、この複合体を多量に作成することが不可能なため、研究毎に作成が必要であるため研究が予定通り進まなかった。この研究の遅れによりその後の解析が進んでいないため次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度、抗CD44v9抗体とフロアシアニン複合体の殺細胞効果について各口腔癌細胞株及び口腔癌移植モデルマウスを用いて検討を行う予定であるため、その際に必要な試薬、器具等に未使用額を利用する予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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