研究実績の概要 |
口腔内細菌・真菌におけるアセトアルデヒト産生量ならびにメラトニン添加によるアセトアルデヒト産生量の変化を検討する目的に、S.salivalius、S.sanguinisなどの口腔内細菌、Candida albicans、Candida glabrataなどの口腔内真菌を対象とし、菌体自体およびその抽出物をエタノール存在下に37℃でincubateし、head space gas chromatographyを用いてアセトアルデヒト産生量を測定したところ、Candida属においてアセトアルデヒトの産生を認めた。さらに、前述と同様な方法で培養時にメラトニンを添加し、産生または遊離されたアセトアルデヒト量の変化について検討したところ、メラトニンの添加によりアセトアルデヒト量の低下を認めた。 口腔粘膜上皮細胞に対するアセトアルデヒドの影響を検討する目的に、増殖期もしくは分裂期の培養口腔粘膜にアセドアルデヒドを添加し、培養後に細胞を回収し、上皮分化マーカーである、involucrin、transglutaninase、kerachin 1,4,10,13,14、filaggrin、defensinのnPNA発現およびタンパク質発現について検討したところ、アセドアルデヒドを添加により、上皮分化マーカーの抑制を認めた。 さらに、Tunel染色を用いて細胞のアポトーシス、ELISA解析によるDNA損傷の有無、抗DNP抗体を用いてタンパク質のC末端の酸化ダメージの有無、抗CMH-DCFDA抗体を用いて細胞内のフリーラジカルの蓄積について検討し、アセドアルデヒドに口腔粘膜細胞に対する為害作用があることが認められた。
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