本研究の特色・独創的な成果は,口腔腫瘍(エナメル上皮腫と唾液腺多形腺腫),その他の慢性炎症性病変である細胞の増殖性病変における細胞分化と言う視点から捉え,追究したものである。これらの成果は新規治療法の開発につながるであろう。概略は以下の通りである。 歯原性腫瘍と唾液腺腫瘍の増殖・分化について,腫瘍細胞の分化の観点から追究し,WntシグナルやHSPが密接に関与している事を明らかにした。さらに,歯科矯正学的なメカニカルストレスや外傷性咬合にる歯根膜組織の傷害の修復には骨髄間葉系細胞が多数移動してきており,本来中胚葉性の骨髄間葉系細胞が,神経堤由来の外胚葉性間葉細胞に分化する事を明らかに出来た。
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