研究課題/領域番号 |
26463038
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
加藤 広禄 金沢大学, 附属病院, 講師 (30444201)
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研究分担者 |
吉澤 邦夫 山梨大学, 総合研究部, 講師 (60452108)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / Invadopodia / 浸潤 / 遊走 / Tks5 |
研究実績の概要 |
浸潤能の異なる2種類の口腔扁平上皮癌(OSCC)由来細胞株(SCC4、H357)ならびに正常線維芽細胞株(NOF5)、NOF5をTGFbeta処理にて作成した癌関連線維芽細胞(CAF)を使用し、口腔扁平上皮癌細胞とNOF5またはCAFとを非接触性に共培養することにより、口腔扁平上皮癌細胞の浸潤、遊走への影響ならびにその際のInvadopodia関連因子の発現変化について検討した。その結果、NOF5ならびにCAFと共培養した2種類のOSCC細胞株ともに遊走能、浸潤能が亢進した。また、NOF5ならびにCAFの培養上清で培養することにより、OSCC細胞のInvadopodia関連因子の一つであるTks5の発現が上昇し、さらに細胞外基質分解酵素の一つであるMT1-MMPの発現も上昇した。その発現上昇を認めたTks5が実際の培養細胞ではどのように発現しているかを検討する目的で、OSCC細胞株におけるTks5の発現を蛍光免疫染色にて検討した。その結果、細胞の底面にSpot(点)として確認でき、NOF5やCAFの培養上清で培養することによりその発現Spotの数が増加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床切片におけるInvadopodia関連因子の発現を免疫組織化学染色を用いて検討する予定であったが、症例数が少なく、検討するに至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
臨床切片におけるInvadopodia関連因子の発現を免疫組織化学的に検出し、臨床病理学的因子との関係を検討する。また、その発現様式と5年累積生存率との関係を検討し、Invadopodia関連因子が口腔扁平上皮癌の予後因子となりうるかを検討する。 また、Invadopodia関連因子のsiRNAを用い、コラーゲンゲル浸潤モデルによる浸潤抑制効果ならびに正所性移植モデルによる腫瘍の進展抑制効果の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験に用いる試薬や消耗品を効率的に使用できた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度に行う予定の実験計画の一部(消耗品、試薬)に使用する。
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