研究課題/領域番号 |
26463046
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
内田 大亮 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20335798)
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研究分担者 |
宮本 洋二 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20200214) [辞退]
泉 さや香 獨協医科大学, 医学部, 助教 (30406227)
玉谷 哲也 徳島大学, 大学病院, 講師 (30274236) [辞退]
博多 研文 獨協医科大学, 医学部, 助教 (40566642)
永井 宏和 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (50282190) [辞退]
大江 剛 徳島大学, 大学病院, 助教 (60432762) [辞退]
栗林 伸行 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80617332) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | miR-518c-5p / CXCR4 / 口腔癌 |
研究実績の概要 |
われわれは、ケモカインレセプターCXCR4が口腔癌の転移システムの一つであることを明らかにしてきた。CXCR4システムは癌細胞の走化性亢進により転移を惹起すると考えられてきたが、転移に重要とされる癌微小環境に与える影響は不明である。本研究では、CXCR4シグナルの標的マイクロRNA (miRNA)として同定したmiR-518c-5pが、CXCR4システムの下流に存在する真の転移促進miRNAであるか、口腔癌細胞への直接的影響とexosomeを介した癌微小環境への間接的影響を中心に検証することを目的とする。本年度は、CXCR4高発現株である口腔癌細胞株B88と低発現株CAL27にmiR-518cの発現ベクターを導入し、安定発現株を樹立した。これらの安定発現株では、miR-518c-5pを高発現しており、細胞増殖能と遊走能がコントロール細胞と比較して、有意に亢進していた。また、これらは、miR-518c-5pの阻害剤により著明に抑制された。さらに、これらの安定発現株をヌードマウス咬筋内同所性移植あるいは、静脈内移植したところ、同所性移植ではリンパ節転移能が、静脈内移植では肺転移能が有意に亢進していた。さらに、安定発現株とコントロール細胞におけるmRNA発現をcDNAマイクロアレイにより比較したところ、miR-518c-5p特異的な転移関連分子の発現誘導が確認された。以上より、miR-518c-5pは口腔癌細胞の転移促進miRNAであることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に記載した平成26年度の予定をほぼ完遂できており、予測した結果を得ることができた。ただし、IVISを用いた転移巣の蛍光イメージングは、蛍光レベルが低く検出することができず、HE染色による病理組織学的な評価を行った。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、培養上清および転移巣が確認されたマウス血清よりexosomeを単離し、miR-518c-5pの分泌型miRNAとしての可能性を探求する。さらに、miR-518c-5pの安定発現株を血管内皮細胞HUVECおよびリンパ管内皮細胞TR-LEと共培養し、内皮細胞の増殖や管腔形成など、癌微小環境に与える影響を検討する予定である。また、前年度に得られた標的mRNAに関しても、詳細な解析を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
すでに購入していた物品・試薬の使用により、当該年度に予定していた実験結果を得ることができたこと、10月に異動になり研究分担者を削除したこと、新部署での実験のセッティングに費用を要することを予想していたため、繰越が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
実験協力者である木内誠の成果発表のための海外出張旅費と新部署での実験のセッティングに使用する予定である。
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