研究実績の概要 |
昨年度得られた結果を踏まえ、新たな手術検体にて腫瘍部線維芽細胞および正常部線維芽細胞の樹立を継続した。結果、3 症例での culture に成功した。いずれの症例においても、腫瘍部線維芽細胞においてαSMA の高発現を確認できた。また、抗 IL-6 抗体を用いてリンパ管新生関連マーカーである VEGF-C 等の発現解析を行ったが、両群で有意差は認められなかった。そこで、当科にて2006 年から2013 年の間に、口腔扁平上皮癌と診断された新鮮症例 55 例 を対象とし、術前血清を用いた multiplex suspension array 法を用いたスクリーニングおよび生化学的検査による検討を見直した。Interleukin (IL)-2, 4, 6, 8, 10, Granulocyte macrophage colony-stimulating factor (GM-CSF), Interferon (IFN)-γ, Tumor necrosis factor (TNF)-α を対象とし、リンパ節転移関連因子の検討を再度行った。結果、TNFα との強い相関が認められ転写因子である NF-κB が重要な分子となる可能性が考えられた。現在、腫瘍微小環境との関連因子などについて解析を進めている。また、当科ではセンチネルリンパ節生検をおこなっているため、陽性例と後発リンパ節転移症例に分けて相関があるかも併せて解析を行っている。
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