研究課題/領域番号 |
26463049
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
田中 拓也 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (30631767)
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研究分担者 |
尾木 秀直 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (10315426)
篠原 正徳 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (90117127)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 遠隔転移 / NF-kB |
研究実績の概要 |
GFPを導入した口腔扁平上皮癌細胞(OSCC)を用いて高転移株・肺転移株を樹立することに成功しました。また、これまで複数の癌で転写因子nuclear factor-KB(NF-KB)は、恒常的に活性化されており、癌の悪性化に関わることが知られおり、これまで申請者は、OSCCの頸部リンパ節転移に関わる因子について、樹立した高転移株を用いて、NF-kBの発現が高くなっていることを明らかにし、NF-kBの阻害剤であるNBD peptideを用いてvivoの実験で口腔癌では、初めてリンパ節転移を抑制することに成功した。掲載論文:Cancer Science 103(3):455-63,2012 その後、転移株・肺転移株を用いて新たに転移能増強に関わる分子に関してマイクロアレイ解析を行い、OSCCにおける遠隔転移に関する予測、あるいは診断マーカーを検索した結果、肺転移において、Angptl4の発現が高いことに注目しました。またそれらの発現は、癌細胞から分泌されるサイトカインであるTNF-aがオートクライン機構により、TNFR1を介してNF-kBを活性化することにより発現を増強している可能性があることを解明しました。そのことが、Angptl4の発現を上昇させていることを確認しました。以上の結果を第33回 日本口腔腫瘍学会で発表し、ポスター賞を受賞しました。また、第74回日本癌学会学術総会で発表しました。さらに、論文にまとめて、 現在投稿中です。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
免疫染色によりAngptl4の発現を患者検体でおこなった結果、口腔癌患者において肺転移をおこしている患者では発現が高い傾向をみとめた。しかし、まだ母集団が少ないため今後増やして検討していくことが必要であると考える。また、今回、震災の影響で実験の進行に多大なる影響がでると考えますが施設の再建が整い次第実験をすすめている予定です。
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今後の研究の推進方策 |
Angptl4を抑制することで肺転移が抑制されるかvivoでの実験を進めていく予定です。また、臨床検体(血液・唾液)で肺転移をおこした患者とおこしていない患者でAngptl4の発現の確認を行い。今後検討をすすめていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請者の院内出向により一時的に研究に従事する時間がなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
現在、投稿中の論文と、追加実験・学会発表の予算にあてる。また、震災で破損した器具、抗体などに予算をあてて行きたいと考えている。
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