温熱誘導DSBはHRの経路で修復されることが示唆されたが、温熱誘導DSBにKuのリン酸化が重要であれば、これらのリン酸化酵素(ATRなど)阻害剤を用いてKuのリン酸化およびDSBからの解離を阻害することができる。コロニー形成法では温熱単独よりもATR阻害剤(VE-821)と温熱の併用で著しい相乗効果が得られた。そこで、ヒト舌扁平上皮癌細胞株を温熱単独およびVE-821と温熱との併用を行い、γH2AX抗体で免疫組織蛍光染色法を行った。温熱単独よりもVE-821と温熱処理との併用では倍ほどのγH2AXの発現を認めた。よって、温熱誘導DSBにはKuのリン酸化が重要である可能性が示唆された。
|