研究課題
本研究は、頭頸部癌細胞において交流磁場下での造影剤リゾビストの温熱加温と分子標的薬セツキシマブを併用することにより、セツキシマブに抗がん効果の抵抗性を示した頭頸部癌への新たな治療法を開発を目的としている。最終年度までに、われわれは温熱加温を行ったヒト由来扁平上皮癌が加温を行っていない細胞に比べEGFRの発現量が高くなることを発見した。そこで、KRAS 遺伝子の変異がなく、セツキシマブにより治療効果が見込まれない扁平上皮癌細胞に対して温熱加温を行い、EGFRを高発現させることでセツキシマブに対する感受性を増感することができ、セツキシマブによる抗がん作用をより強く発揮できると推測できることから、セツキシマブに抵抗性を示すヒト由来扁平上皮癌細胞を移植したマウスモデルを作成して検討を行った。このマウスモデル用いて、リゾビストを腫瘍部に局所投与し交流磁場下で発熱させた。これによりセツキシマブが標的とするEGFRの発現を誘導させた後、セツキシマブ併用による抗腫瘍効果の増強についての検討を行った。治療群を以下の6ループに分けて検討を行った。①コントロール群(リゾビスト・セツキシマブ投与なし)②リゾビストを左大腿に局所投与のみ行った群③セツキシマブを静脈投与のみ行った群④リゾビスト投与後、交流磁場にて磁場印加を行った群⑤リゾビスト・セツキシマブの投与のみを行った群⑥リゾビストを投与し交流磁場にて磁場印加による温熱加温後、セツキシマブを静脈投与した群、である。コントロールに比較し、磁場印加による温熱とセツキシマブ投与を併用した群で腫瘍の縮小傾向を認めた。
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