研究課題/領域番号 |
26463056
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
正木 英二 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40221577)
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研究分担者 |
城戸 幹太 東北大学, 大学病院, 助教 (40343032)
水田 健太郎 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (40455796)
星島 宏 東北大学, 歯学研究科, 助教 (90536781) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 術後痛 / 神経修飾 / 1次求心神経 / 2次求心神経 / BDNF |
研究実績の概要 |
手術切開による組織神経損傷による1次、2次求心性知覚神経修飾に与える影響を確認するために、1)足底切開を加えた術後痛モデルにおいてBDNF過剰発現がマイクログリア活性抑制薬のミノサイクリンにより抑制を受けるのか、2)D2アゴニスト、アンタゴニストの投与によりD2受容体を介した抗侵害作用が逆説的に変化するのか、3)PAR-2受容体の活性化が術後痛の発生に関連するのかを検討した。 ラット後足切開を加え、術後痛モデルラットの作成を作成し、眼窩下神経切断モデルは眼窩下神経を露出しその部分切断を行うことにより作成した。抗侵害作用は薬剤投与後、機械、赤外線熱刺激試験にて経時的に評価を行った。末梢神経記録は皮膚ー腓骨神経標本にて測定した。病的行動評価はTraffiCage system を用い、自発的運動量を測定することにより評価した。また、BDNF産生量は免疫組織学的に定量した。 1)足底切開によりBDNF過剰産生が認められたがミグログリアの活性化は術後早期には確認できず、ミクログリアの抑制薬であるミノサイクリンによりは抑制されず、また、ミノサイクリンは抗侵害作用を示さなかった。2)D2アゴニストは濃度依存的な抗侵害作用を示したが、そのアンタゴニストはなんの効果も示さなかった。3)PAR-2受容体アゴニストにより自発痛の増加、熱、機械刺激による疼痛閾値の低下がみられ、末梢神経記録において自発的また、熱機械刺激による活動電位発射の頻度増加を認めた。 以上より、足底切開による術後早期の脊髄BDNF過剰産生はミクログリアからのものである可能性は低く、1次求心性神経終末より放出されていること、D2受容体の修飾や障害は起きていないこと、PAR-2受容体の活性が術後痛と関連していることが示唆された。
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