| 研究課題/領域番号 |
26463062
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| 研究機関 | 大阪大学 |
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研究代表者 |
丹羽 均 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30218250)
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| 研究分担者 |
前川 博治 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10711012)
杉村 光隆 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (90244954) [辞退]
浜田 尚香 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70762558) [辞退]
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | パーキンソン病 / 痛覚 / ラット / 疼痛関連行動 / c-fos |
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| 研究実績の概要 |
パーキンソン病(PD)の運動系や自律神経系の異常についてはよく知られているが、痛覚への影響については十分に解明されていない。本研究では、PDモデルラットを用い、その詳細について明らかにする。
①PDモデルラットの作製は、ラットの左側内側前脳束に6-OHDAを投与することにより、黒質のドパミン神経の細胞死を引き起こし作製した。黒質線条体系のドパミンの枯渇状況の評価は、メタンフェタミン投与による誘起回転と免疫組織学的変化で確認した。
②PDモデルラットを用い、口腔顔面領域の痛覚への影響を調べるため、上口唇に4%ホルマリンを0.05mL注射し、炎症性疼痛を誘発した。注射後の顔面こすり運動などの疼痛関連行動（PRB）を観察した。また三叉神経脊髄路核(Vc)でのc-Fosの発現を検討した。その結果、PRBとc-Fos発現の増加が認められ、PDモデルラットは痛覚過敏状態にあることが判明した。
③黒質線条体系のドパミンの枯渇が、痛みの上行性神経路および下行性抑制系へ及ぼす影響を明らかにするため、ホルマリンテスト後の痛みの上行性神経路に関する各神経核（三叉神経脊髄路核（Vc）、視床下部室傍核(PVN)、橋の結合腕傍核(PBN))と、下行性疼痛抑制系に関する各神経核（中脳水道周囲灰白質（PAG）、青斑核（LC）、大縫線核（NRM））におけるc-Fos陽性細胞の数をカウントした。その結果、PVNにおける大細胞群では、対照群に比べてFos陽性細胞数が有意に少なかった。その他の領域では両群に有意差は認められなかった。
PVNは痛みの上行性経路のうち、情動的側面に関係する内側脊髄視床路を構成する核である。PVNにおける大細胞群は鎮痛作用を持つオキシトシンの合成・分泌細胞群であり、ドーパミンの枯渇によってPVNの活動が変化し、内側脊髄視床路やオキシトシンを介する鎮痛効果に影響が及ぼされた可能性が考えられた。
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