研究課題
申請者の研究協力者である米国ウイスコンシン州立大学マディソン校のDr.Ikedaの研究グループは,機能未知タンパク質の一つであるTransmembrane135(Tmem135)の遺伝子変異マウスの視覚ならびに聴覚神経系に,神経変性を伴う早期老化が起きることを見いだし,さらにこのTMEM135が網膜のシナプス小胞に存在することを突き止めた。このTMEM135は現時点でその機能は全く明らかとなっていないが,その遺伝子変異マウスが神経変性を伴う早期老化を引き起こすことから,本タンパク質が神経,特にシナプス小胞おいて何らかの機能を持ち,老化のプロセスに関与しているものと考えられる。そこで本研究課題はTMEM135のシナプス小胞における機能を明らかにし,本遺伝子と老化に伴う神経変性との関わりを調べることが目的である。平成26年度は培養神経細胞を用いてTMEM135タンパク質の局在を細胞免疫化学的検討することを計画した。市販されている大脳皮質神経細胞,脳線条体神経細胞および海馬神経細胞を用い,細胞免疫化学法を用いてTMEM135とMicrotubule-associated protein 2(神経細胞マーカー) ,PSD95(シナプス後膜マーカー) ,Synaptophyshin(シナプス前膜マーカー)およびシナプス小胞マーカーであるvesicular glutamate transport protein 1(VGLUT1),vesicular GABA transporter(VGAT)の局在関係を検討するために,細胞培養環境設備の立ち上げ,整備および培養条件の設定を試みた。
4: 遅れている
培養環境設備の立ち上げ,整備および培養条件の設定に難渋しており,計画通りに実験が遂行出来ていない。
細胞培養に精通した研究者に助言および援助を受けつつ,引き続き培養神経細胞を用いてTMEM135タンパク質の神経細胞における局在を,免疫細胞化学法を用いて検討を進める。さらに上記研究の進展状況を踏まえて,平成27年度の計画計画にあげているツーハイブリッド法を用いたTMEM135のタンパク質-タンパク質間相互作用の検討の準備を行っていく予定である。
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Mamm Genome
巻: 26 ページ: 21-32
10.1007/s00335-014-9546-7