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2014 年度 実施状況報告書

歯胚発生機序解明の新展開-歯堤の動態からの研究―

研究課題

研究課題/領域番号 26463067
研究機関岡山大学

研究代表者

松村 達志  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70432648)

研究分担者 山近 英樹  岡山大学, 大学病院, 講師 (10294422)
田畑 純  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20243248)
平田 あずみ  大阪医科大学, 医学部, 講師 (40263587)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード歯学 / 歯堤 / 再生医学
研究実績の概要

近年、歯の再生研究はマウス再生歯胚をつくるまでに至っているが、人へ応用するには、幹細胞をどこから得るか、再生期間の短縮、安全性など多くの課題がある。その一方で、過剰歯や歯牙種などの発生メカニズムも未だ不明であり、これを制御するに至っていない。しかし、この二つの問題は、歯胚発生初期である歯堤の研究により解明できるところが少なくないと思われる。そこで、本研究では、申請者らが従来から導入している歯胚培養法とビーズ法を組み合わせた手法により、歯胚発生の初期となる歯堤伸長期の細胞増殖や分化を局所的に促進または停止させることを試みて、歯胚の発生および誘導がどこまで可能かを検証することにした。この検証によって、歯胚発生で重要な歯堤の伸長や分岐などの具体的なメカニズムが解明され、歯の再生医療、臨床研究や歯原性腫瘍治療に寄与できる知見が得られるものと期待できる。
初年度である平成26年度はマウスにおける歯堤の動態を確認した。マウス胎生10日は歯胚発生前であり、マウス胎生11日になって初めて上下顎共に肥厚期の歯胚を認めた。なお、肥厚期における間葉の集合はほとんど認めず、下顎は上顎に比してやや正中側で粘膜の肥厚が出現していた。マウス胎生16日になると、下顎第一臼歯(M1)および第二臼歯(M2)を認めた。連続切片では、M1の後端とM2の前端が連結する様に発生し、薄く葉状構造の歯堤でM2上部が粘膜上皮と歯堤でつながっていた。この所見は、マウスにおける総歯堤がM1からM2、M3へと分枝していく構造を示しており、ヒトの大臼歯群と類似した構造である。歯堤形成の初期であり、比較的採取しやすい大きさであることから、胎生16日が培養に適した時期である事が明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前記の如く、培養体採取時期はほぼ決定出来たものの、歯堤の確実な伸長と分枝を得られる培養条件の設定に手間取っている。そのため、培養下での歯堤細胞の動態、増殖、分化の基礎的データが不足している。それに伴い、分化マーカーの確立も時間を要している。

今後の研究の推進方策

現在、歯堤の分化マーカーとして各種蛋白を免疫染色で検討しており、これと平行して培養条件の設定を行っている。第一臼歯のみ取り出して器官培養を行う場合、その状態が良いほど、第二臼歯、第三臼歯へ歯堤の分枝が起こる。確実な歯堤の伸長、分枝が得られる培養体の取り出し方、培養方法、培地には慎重な検討を要するものと想定される。なお、研究者の相互関係は前年度と同じである。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額で発生した差額は分化マーカーの検討および培養条件設定の遅れに起因している。

次年度使用額の使用計画

前記のため、推進方策で記載した通り翌年度分として請求した助成金と合わせて研究計画を順次実施していく。但し、歯堤の伸長および分枝がこの実験計画の最重要事項であるため、確実な歯堤の伸長、分枝が得られる培養体の取り出し方、培養方法、培地の検討は十分に行う必要がある。なお、研究者の相互関係は前年度と同じである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] A safety reference point for IVRO in mandibular Morphology.2014

    • 著者名/発表者名
      Y Goda, T Matsumura, Y Yanagi, N Moritani, M Matsubara, N Ishida, Y Matsui, N Kishimoto, S Iida
    • 学会等名
      The 10th Asian Congress of Oral and Maxillo Facial Radiology (ACOMFR)
    • 発表場所
      Bali-Indonesia
    • 年月日
      2014-11-20 – 2014-11-20

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公開日: 2016-05-27  

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