研究課題/領域番号 |
26463068
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
飯田 征二 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40283791)
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研究分担者 |
水谷 雅英 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90337262)
柳 文修 岡山大学, 大学病院, 講師 (50284071)
池田 篤司 岡山大学, 大学病院, 医員 (00626252)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 三次元画像解析 / MRI / 顔面骨 / 顔面発育 / 形態分析 |
研究実績の概要 |
MRI画像データからの硬組織表面データの抽出方法ならびにその精度の検証をCTを基準として行った。 なお、軟粗隙を描出するMRI像からの硬組織の輪郭の描出は、像全体を塗りつぶした後、6方向からの収縮を行い得られた輪郭部分を三次元的に描出する輪郭強調法(三次元エッジ法)を新規開発し採用した。三次元データの解析にあたっては DICOMデータからポリゴンデータへの変換の後、3次元エッジ法を利用しMRIの表面データの抽出して構築を行い、MRIとCBCTの両ポリゴンデータの比較は、ICP法 による重ね合わせを行い,任意の平面上のMRIとCBCTそれぞれの2次元の特徴点間の距離の計測 を行い、その誤差の有意差を検定した。その結果、撮像対象物の位置や撮影方向による精度では、MRIならびにCTでは有意な差は観察されず、輪郭強調法によるMRIでの硬組織表面描出は、顔面骨の解析に資する可能性が示された。 引き続き、研究では臨床で得られている生体で撮影されたCTならびにMRIデータを用いて、その臨床応用について検討を行った。実際の生体における顎骨の描出では周囲軟組織の影響を排除する条件を設定する必要があり、骨質が薄い部分では抽出することが困難であることが示された。しかしながら、顔面骨の解剖学的特徴点については、いくつかは除き描出が可能であった。なお、三次元的に特徴点を三次元画像上で確定する上では、験者間での差異を減少させるための条件を作成し、験者間での有意差を減少させることとした。 その結果、三次元画像での解剖学的特徴点の描出では、従来のCT画像での特定点の決定の困難さと同様の問題が認められ、臨床的には三次元画像の2次元投影によるセファロ撮影化での有効性について検討する事となり、MRI硬組織画像のセファロ化を行い、通常に撮影されているセファロ写真を基準に比較検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究では、MRI画像データからの安定した硬組織抽出方法の開発とその精度の検証を目的としており、模型上での解析よりその精度はCTでのデータと有意差がないことが確認できた。しかしながら、軟組織を含む生体での解析では、撮像条件などを鑑みる必要があり、薄い骨での描出の困難あるいは三次元画像での特徴点の描出方法の標準化が困難であることが示され、次年度以降への問題点が示されているが、、国際学会などで報告を行い学術的な活動を開始しており、概ね、順調に進んでいると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
現在、開始しているMRI三次元硬組織画像の平面投影によるセファロ(規格写真)化を行い、臨床で用いられている解剖学的特徴点、発育評価基準点の描出について検証を行い、その問題点の解消を行い、MRI硬組織画像の臨床での有効性を示していく方向である。
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次年度使用額が生じた理由 |
26年度においてソフトの購入を主眼として研究方法の確立を行うこととして研究を行い、データ量が膨大となる生体材料での研究において適切なPC環境の見極めを行っていたため。
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次年度使用額の使用計画 |
生体より得られるデータには個人情報が含まれる可能性があるため、外部接続を行わない解析専用のPCを27年度予算を一部加えて購入する。
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