研究課題/領域番号 |
26463069
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
此内 浩信 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20294423)
|
研究分担者 |
竹中 文章 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10642522)
畦坪 輝寿 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30633606)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | アービタックス / セツキシマブ / 口腔癌 / EGFR |
研究実績の概要 |
ヒト由来口腔癌細胞株6株(HSC4,HSC3,HSC2,SAS, Hep2,KB株)を予定していたが、細胞株を変更(不調であったKB株を除く)、さらにHSG、Ca9-22、H0-1-u-1、HSQ-89株を加え9株とした。それぞれにおけるBRAF遺伝子変異に加え、周辺遺伝子(KRAS,NRAS, PIK3CA)遺伝子の変異を検索した。ほとんどの株で各遺伝子変異を見つける事が出来なかったが、HSG、Ca9-22株において、変異を認めた。Ca9-22株においてPIK3CA遺伝子のH1047R変異、HSG株においてPIK3CA遺伝子のE542K変異を認めた。遺伝子変異検索にはファルコバイオシステムズ社のK-ras遺伝子解析(コドン12・13領域)ならびにMu-PACK遺伝子解析を用いた。さらに、昨年度はこれらの癌細胞株のアービタックス感受性を担癌BALB/Cヌードマウスを用いてBRAF関連遺伝子変異の有無と比較している。それぞれの細胞株におけるアービタックスによる抗腫瘍効果は現時点において検討中で、順調に進行中である。担癌マウスモデルの作製は9株中、6株程度での成功となった(500万個/背部皮下1ポイント)。全株での目標達成に至ることが出来なかったが、特にBRAF関連遺伝子変異(PIK3CA遺伝子のH1047R変異)を有するCa9-22株を播種した担癌マウスの作製が困難で、その条件設定(播種細胞数など)を今年度は行う予定である。また、アービタックスをプローブとして用いるEGFR-PETの撮像を目指すため、アービタックスのプローブ化を試み、標識核種の選定(Cu、Zr)を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は、ヒト口腔癌由来細胞株9株について、それぞれにおけるBRAF周辺遺伝子(KRAS,NRAS, BRAF, PIK3CA)遺伝子の変異を検索し、それぞれの細胞株をBALB/Cヌードマウスに播種して、マウスモデルを作製した。それぞれにおけるアービタックスによる抗腫瘍効果は現時点において検討中で、順調に進行中である。マウスモデル作製は6株程度での成功となり、全株での目標達成に至ることが出来なかった。今年度は不成功であった細胞株での担癌マウス作製を進めつつ、成功株での腫瘍形成の確実性を高める予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
in vivoでのアービタックスによる抗腫瘍効果の検討に際して、生存率や転移阻害効果などは現在検討中である。今後の方針としては前年度に引き続き、口腔癌への抗腫瘍効果について検討し、マウス個体数と細胞株数を増やす予定である。今年度は現時点において2学会での報告を予定している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
前年度よりの繰り越し金はPET撮像に充てる予定として繰り越すことにした。これは、次年度に使用する予定であったPET撮像経費価格の引き上げが前年にあり、1回の撮像につきおおよそ300千円の価格上昇となったことによる。前年度での撮像も検討したが、モデルマウス作製時期とPET撮像スケジュールの調整が合わず、今年度に持ち越しとした。
|
次年度使用額の使用計画 |
前年度よりの繰り越し金はPET撮像に充てる予定として繰り越すことにした。これは、次年度に使用する予定であったPET撮像経費価格の引き上げが前年にあり、1回の撮像につきおおよそ300千円の価格上昇となったことによる。前年度での撮像も検討したが、モデルマウス作製時期とPET撮像スケジュールの調整が合わず、今年度に持ち越しとした。
|