研究実績の概要 |
ヒト血管臍帯静脈内皮細胞と正常ヒト皮膚線維芽細胞を共培養したプレートを用いて,血管内皮細胞増殖因子(VEGF)存在下あるいは非存在下のin vitro血管新生について,定量評価を行い,ミダゾラム,ジアゼパム,プロポフォール,ケタミンが及ぼす影響について検討した。その結果,高濃度ミダゾラム(50 μM)は,VEGF非存在下の早期(3日間)のin vitro血管新生を促進した。一方,VEGF存在下では,高濃度ミダゾラムは,3日間,10日間のin vitro血管新生を抑制した。この高濃度ミダゾラムによるin vitro血管新生の抑制は,血管新生抑制効果をもつことで知られているスラミンによる抑制と比較すると,さらに強い抑制を示した。低濃度ミダゾラム(1, 10 μM)は3日間あるいは10日間のVEGF存在下あるいは非存在下のin vitro血管新生に影響を与えなかった。50 μMジアゼパムは,VEGF存在下では10日間のin vitro血管新生を有意に促進し,VEGF非存在下では影響を与えなかった。VEGF存在下あるいは非存在下の3日間のin vitro血管新生には影響を与えなかった。低濃度ジアゼパム(1, 10 μM)は,3日間あるいは10日間のVEGF存在下あるいは非存在下のin vitro血管新生に影響を与えなかった。プロポフォール(50 μM),ケタミン(50 μM)は,3日間あるいは10日間のVEGF存在下あるいは非存在下のin vitro血管新生に影響を与えなかった。 高濃度ミダゾラム(50 μM)は,3日間のヒト血管臍帯静脈内皮細胞の増殖を有意に抑制した。低濃度ミダゾラム(1, 10 μM),ジアゼパム(1, 10, 50 μM),プロポフォール(1, 10, 50 μM),ケタミン(1, 10, 50 μM)は,3日間のヒト血管臍帯静脈内皮細胞の増殖に影響を与えなかった。
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