術前の口腔ケア実施群(OC群)と非実施群(NOC群)患者から抜管した気管チューブに付着した総細菌数,レンサ球菌数を測定した.その結果,いずれのチューブにも1000 CFU以上の細菌が付着し,レンサ球菌が優勢であった.OC群ではNOC群よりチューブ付着の全細菌数,レンサ球菌数が有意に少なかった.しかし,唾液中の細菌数とチューブ付着の細菌数間には有意の相関性はなかった.In vitro実験ではミュータンスレンサ球菌が気管チューブに強い付着能を有していた.以上より,経口挿管した気管チューブには,特にミュータンスレンサ球菌が付着すること,またそれは口腔ケアにより抑制可能であることが示唆された.
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