研究課題/領域番号 |
26463080
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
栗田 賢一 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40133483)
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研究分担者 |
中島 美砂子 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (20207773)
平田 仁 名古屋大学, 学内共同利用施設等, 教授 (80173243)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 再生 / 末梢神経再生 / 末梢神経麻痺 / 歯髄幹細胞 / 挫滅モデル |
研究実績の概要 |
末梢神経障害はしばしば、外傷や手術合併症によって引き起こされ、かなりの障害となる。自家神経移植autograftは神経の修復/再生においてはゴールドスタンダードである。しかしながら、正常神経の侵襲を伴い、感覚の喪失、神経腫の形成、神経障害性疼痛などを引き起こす可能性がある。そこでわれわれは、ヒト歯髄幹細胞を用い末梢神経麻痺の新しい治療開発を目的として研究を進めている。 平成26年度には挫滅モデルの検討を行い、挫滅方法として血管クリップを用いた挫滅方法を採用した。また移植細胞については、愛知学院大学附属病院にて抜去した歯牙を国立長寿医療センター幹細胞再生医療研究部に輸送し、歯髄幹細胞を分取、培養を行っている。その細胞はフローサイトメトリー、Real-Time RT-PCR、TAXIScanにより形態評価を行い移植に適した形質を保持していることを確認した。 平成27年度には以前から検討を行っていた歯髄幹細胞を酸化セルロースをスキャホールドとしてコラーゲンと共に移植する方法を確立した。酸化セルロースは口腔外科領域で臨床の現場でも止血剤として用いられており、将来的にすぐ臨床の場で応用できることを見据えている。 また細胞移植予備実験を行い、神経組織を採取しHE染色による炎症の程度評価、NF、MBPを用い免疫染色にて髄鞘の再生評価をし、前脛骨筋の湿重量を測定することにより麻痺の回復の程度を機能評価できないかと検討を行っている。 しかし再生を評価するには評価項目が乏しく現在さらなる評価項目についての検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞移植を行った群と細胞移植を行った群を比較する際の形態学的評価についてはある程度決定しているが、機能学的評価についての方法を現在検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
少しでも早く機能学的評価の追加項目について検討、予備実験をおよび本実験を進めて行く予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
免疫染色を行う際に抗体を多数使用する、移植する細胞を培養する際、試薬培地、機材が必要となる。 また機能学的評価項目を検討する際、高額な機材を使用する理由が挙げられる。
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次年度使用額の使用計画 |
機能学的機能評価項目の一つとしてキャットウォークを用いた歩行観察、さらに筋電図をもちいた電気生理学的評価も加えたいと考えている。
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