人工呼吸器関連肺炎(VAP)予防のための口腔ケアの前向きランダム化比較試験を行った。対象は、3次救急である当院の救命救急センターに救急搬送された重症で、経口気管挿管された患者とした。従来からの市販の歯ブラシを用いる口腔ケア(C群)と、新たな口腔ケアキットQ・Careを使用(Q群)の2群に分けた。Q・Careには吸引歯ブラシを含み、ブラッシング中に、微生物を含む汚染物の飛散を減少できる。 Q群では経時的にケア直前の咽頭の菌量が減少したのに対し、C群では逆に増加した。Q群でのVAPの発症は20例中3例であったのに対し、C群では16例中9例で、Q群でVAP発症率が有意に低かった(p<0.01)。
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