研究課題
骨組織は様々な細胞から構成されており,それらの細胞間コミュニケーションによって骨リモデリングが制御されている。近年、細胞間コミュニケーションにおけるエクソソームの役割が注目されている。エクソソームは、多くの細胞から細胞外に分泌される膜小胞であり、細胞間の情報伝達や分子の輸送に重要な役割を持ち、組織再生の過程で重要な役割を果たしている事が報告されている。エクソソームによる分子輸送には、エクソソームが細胞へ取り込まれる必要がある事が示唆されている。近年、細胞表面の主要な活性分子の一つであるヘパラン硫酸プロテオグライカン (HSPG) が、エクソソームの細胞への取り込みに関与している可能性が示唆された。本研究では、骨芽細胞由来のエクソソームに注目し、HSPGを介したエクソソームの細胞への取り込みに関する以下の実験を行った。① OptiPrep 密度勾配遠心法及びアフィニティーメンブレンを用いたスピンカラム方法を用いて、分化誘導有り・無しの状態における前骨芽細胞(MC3T3-E1)由来のエクソソームを精製し、そのエクソソームのキャラクタリゼーションを行った。様々なエクソソームのマーカー分子及びHSPGの発現の比較検討を行った。②通常条件及び分化誘導条件下で培養した前骨芽細胞(MC3T3-E1)由来の蛍光標識されたエクソソームを用いて、細胞内取り込みをリアルタイムで観察できるモデルを作成した。それらを用いて、細胞内取り込みにおけるHSPGの役割を評価した。③現在、分化誘導有り・無しの状態で培養した前骨芽細胞においてエクソソームの形成に関与する分子及びHSPGを、次世代シーケンサーを用いて解析している。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
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