本研究では、成長期に咀嚼に伴うメカニカルストレスが低下した咀嚼環境および咀嚼環境が阻害された咀嚼環境を作成し違いがあるのかを明らかにし、空間認知記憶能力と海馬神経細胞を指標に咀嚼環境の意義を明らかにすることを研究目的とした。12週齢にて記憶の形成に重要な役割を示す海馬を評価するため、通方に従い脳を固定、パラフィン包埋し、3ミクロン厚の海馬連続切片を作製後、組織学的に検討した。また記憶関連因子の一つであるNMDA受容体の免疫染色を行った。12週齢において両実験群における海馬の細胞密度は低下し、NMDR受容体については液状飼料群、咬合挙上群において、有意に密度の減少が認められた。
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