研究課題/領域番号 |
26463091
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
越知 佳奈子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60397122)
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研究分担者 |
齊藤 力 東京歯科大学, 歯学部, 客員教授 (80103357)
齋藤 功 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90205633)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 顎変形症 / 機械学習 / 診断支援システム / 三次元形態解析 / 歯列模型解析 / 臨床 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、顎変形症の診断時に過去の類似症例を自動認識して検索・提示する診断支援システムを開発することである。 本研究は顎変形症治療に関連した「資料のデジタル化」と「機械学習を実装したデータベースシステムの開発」を併進させる方針であった。 平成26年度における「資料のデジタル化」については、外科的矯正治療が終了した顎変形症症例のうち、データベースに必要な全資料を有する症例を選択し、機械学習時のシステム開発に必要となる歯列模型から、デジタル化を行うこととし、これまで研究代表者が自らデジタル化を行ってきた模型と同じ症例を専門業者に委託しデジタル化を行い、デジタル化の条件設定を行った。歯槽部のパラメータ化に十分なデータが得られるように条件設定を変更した。これにより、データベース構築時に必要な歯列模型データの一部は専門業者に委託でき、研究の効率化が行えるようになった。また、本年度購入した高性能サーフェス変換ソフトウェアにより、研究者がデジタル化を行う模型についても従来より精度の高いデジタルデータを得ることが可能となった。 「機械学習を実装したデータベースシステムの開発」の部分では、「特徴パラメータの抽出」については、これまで開発してきた歯列ー歯槽部形態会解析システムにおける座標設定部分でのプログラムの改変をおこなった。これによりより詳細なデータの取得が可能となった。これまでに抽出してきたデータについても新しいプログラムで再度パラメータ抽出を行う予定である。 また、初期システムの構築のために用いる統計解析用フリーソフトウェアの「R」を導入した。また機械学習の資料収集を行い、システム構築の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始当初は、歯列模型のデジタル化を専門業者に委託することで、症例数の確保を図る予定であったが、パラメータの抽出に必要な歯槽部のデジタルデータ化を目的としたスキャンを行うための条件設定に想定していたよりも多くの時間を要してしまったことにより、当初の予定よりも遅れている。 また、機械学習のシステム構築についても歯列模型のパラメータ抽出のソフトウェアの改変に予想よりも時間を要したため、初期システムの構築に至れなかった。
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今後の研究の推進方策 |
「資料のデジタル化」については、歯列模型のデジタル化を専門業者に委託することが可能となったので、今後は症例数を増やすことが可能である。 また、新たなワークステーションを導入することで、機械学習用のデータベースの構築、歯列模型の三次元データ分析、およびパラメータ抽出に用いるワークステーションを各々分散させることが可能となり、データベース構築が推進すると考える。 今後は、機械学習アルゴリズムを実装した小規模データベースシステムの実現を優先し、資料のデジタル化は歯列模型に重点を行って、進めていくことにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度の予算の中の多くを使用する方針であった歯列模型のデジタル化の委託が、進んでいないことが一つの原因と考える。また、機械学習用のデータベースの構築、歯列模型の三次元データ分析、およびパラメータ抽出に用いるワークステーションを各々分散させるために、新たにワークステーションの導入とデータ蓄積のためのハードディスクを購入する予定であったが、システム構築があまり進行しなかったためにいずれもも購入しなかったことも理由として考えられる。
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次年度使用額の使用計画 |
歯列模型のデジタル化の専門業者委託を積極的に行うこと。また、システム構築のための専用ワークステーション導入とデータ蓄積用のハードディスクを購入することにより、執行する。
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