研究実績の概要 |
本研究の目的は、上下顎歯列模型から得られた三次元デジタルデータと三次元パノラマX線写真から得られた歯根情報を含む三次元デジタルデータを統合して、歯根情報を含むデジタル口腔模型を作製し、歯冠および歯根の形態的特徴を評価することである。昨年度に、市販の歯科レントゲン撮影用頭部ファントムを改造し、印象採得が可能で歯根の解剖学的特徴を有する、新しい頭部ファントムの作製を行った。 今年度は、上下顎歯列模型から得られた三次元デジタルデータとComputed Tomography (CT)画像から得られた三次元デジタルデータを統合して、歯根を含むデジタル口腔模型を作製した。すなわち、市販の歯科レントゲン撮影用頭部ファントム (Kyoto Kagaku, Co. Ltd., Japan) をもとに、新しく上下顎歯の排列を行い、印象採得が可能な新しいファントムを作製した。本ファントムについて、CTスキャナー(SomatomEmotion6, Siemens AG, Germany)を用いて頭蓋顔面形態の三次元データを取得した。同ファントムの上下顎歯列の印象を採得して口腔模型を作製し、表面形状計測装置(3Shape R700 Scanner, 3shape, Denmark)を用いて、上下顎歯列の三次元デジタルデータを取得した。さらに、画像解析ソフトウェア(Body-Rugle, Medic Engineering, Japan)を用いて、CT三次元デジタルデータと歯列三次元デジタルデータを統合した。この結果は、2016年6月に開催される第92回Congress of the European Orthodontic Societyにて発表する予定である。
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