研究課題/領域番号 |
26463105
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
北井 則行 朝日大学, 歯学部, 教授 (20271025)
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研究分担者 |
勝又 明敏 朝日大学, 歯学部, 教授 (30195143)
黒柳 ふみ 朝日大学, 歯学部, 講師 (10618672)
村林 学 朝日大学, 歯学部, 講師 (50723011)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | パノラマX線写真 / 三次元 |
研究実績の概要 |
本研究では,三次元パノラマX線写真から得られた三次元デジタル画像(以下,三次元パノラマ画像)と歯列模型から得られた三次元デジタル画像(以下,歯列模型三次元画像)を用いて,患者の放射線被曝の少ない,歯根を含むデジタル口腔模型を作製し,歯冠および歯根の形態的特徴を評価することを目的とした. まず,歯列の印象を採得できる歯科レントゲン撮影用頭部ファントムを作製し,その歯列について,印象採得後に歯列模型を作製して,歯列模型三次元画像を取得した.また,同一の頭部ファントムを被写体として,Computed Tomography (CT)撮影および三次元パノラマX線撮影を行い,CTから得られたデジタル画像(以下,CT画像)と三次元パノラマ画像を取得した.得られた歯列模型三次元画像とCT画像について,左右中切歯間中点,犬歯尖頭,第二小臼歯頬側咬頭頂および第一大臼歯近心頬側咬頭頂を基準として画像の統合を行った結果,歯列模型三次元画像とCT画像が高精度に統合できることを明らかにした. 次に,CT画像と三次元パノラマ画像について,上顎6前歯切縁を基準として統合を行い,歯根尖の位置を比較したところ,CT画像と三次元パノラマ画像との間で,上顎前歯歯根尖の側方的および垂直的座標については,大きな差が認められなかった.すなわち,その差は,側方的座標では,中切歯で1.0mm,側切歯で1.2mm,犬歯で1.0mmを示し,垂直的座標では,中切歯で0.9mm,側切歯で1.3mm,犬歯で1.4mmを示した.しかし,前後的座標については,中切歯で13.3mm,側切歯で13.9mm,犬歯で14.5mmと大きな差が認められた.これらのことから,三次元パノラマ画像を応用した,歯根を含むデジタル口腔模型では,上顎前歯歯根尖について,前後的な位置では誤差が大きいものの,側方的・垂直的位置は精度よく評価できることが示唆された.
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