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2015 年度 実施状況報告書

乳歯歯髄由来間葉系幹細胞の骨芽細胞分化機転の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26463106
研究機関北海道大学

研究代表者

菊入 崇  北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10322819)

研究分担者 吉村 善隆  北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (30230816)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード歯学 / 間葉系幹細胞
研究実績の概要

遺伝子異常によって先天的に多数の歯牙が欠損している患者では、歯槽骨の発育が十分でないため、義歯あるいはインプラントによる補綴治療を行う上で非常に困難なケースとなることが多い。顎骨を再生することはこのような患者の Quality Of Life を維持する上でも大変重要な治療となる。顎骨再建には、腸骨などからの自家骨移植が行なわれるが、侵襲の激しい手術を伴うことになる。本研究課題では、乳歯歯髄由来間葉系幹細胞を用いた再生医療の顎骨の再建における有効性について検討を行った。
乳歯歯髄由来幹細胞の初代培養からコロニーを形成した細胞を継代し、継代ごとにおける間葉系幹細胞の表面マーカーであるStro-1・CD44・CD146・CD166の発現について比較した。継代を重ねるごとに、これらの表面マーカーを発現している細胞数は減少する傾向が認められた。しかし、継代を重ねた乳歯歯髄由来幹細胞に対して造血幹細胞を加え共存培養を行ったところ、これらの表面マーカーが再発現することが判明した。また、マウスの頭頂部に人工的に作成した骨欠損部に対して、乳歯歯髄由来間葉系幹細胞を多孔性βリン酸三カルシウムと共に移植を行い、移植2か月後に、骨欠損部に再生した骨組織の解析を行った。造血幹細胞と共存培養を行った乳歯歯髄由来幹細胞を移植した実験群では、乳歯歯髄由来間葉系幹細胞の単独培養を行った実験群と比較して多くの骨組織が再生していることが判明した。以上の結果から、造血幹細胞は、間葉系幹細胞に直接作用することで、間葉系幹細胞の骨形成誘導能を増強している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画に沿って順調に研究が進んでいる。さらに、研究計画書作成時と比較して新しい知見が得られており、今年度の実験を継続することでさらなる成果を上げられる可能性があると考えている。

今後の研究の推進方策

平成27年度同様、in vivoにおける移植体における新生骨作成実験を続ける。また、移植した幹細胞が骨組織以外の奇形種を生じているか否か、幹細胞移植に伴う安全性について検討を引き続いて行う。さらに、GFPマウスから幹細胞を採取、移植体において新生した骨組織がどちらの移植した幹細胞に由来しているのか、間葉系幹細胞と造血系幹細胞との相互作用について、引き続いて検討する。

次年度使用額が生じた理由

物品費(消耗品費)においてキャンペーン品があり、当初予定額より支出が抑えられ、経費の節約ができ、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

経費の節約により生じた未使用額423,315円については、今年度の実験動物(マウス)、物品費(消耗品費)の購入に使用する。

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公開日: 2017-01-06  

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